【ライブレポ】IDORISE!! FESTIVAL 2021 -DAY1- Night 【O-crest】
3月13日(土)に行われた表題のライブレポです。
この「IDORISE!! FESTIVAL」、3月13日と14日の2日間の昼夜2部制で開催され、渋谷は道玄坂にあるShibuya-O-Group運営の6会場(O-EAST, O-WEST...etc)にて2~4マンでのアイドルの対バンライブが行われるという形式でした。
僕が行ったのはTSUTAYA O-Crestで開催の夜のライブでしたが、この時の出演者はこちらです。
Pimm’s
QUEENS
転校少女*
出演順に書いていきます。
Pimm’s
予習で何曲かつまみ食いして聴いていたときからその感覚はあったのですが、生で聴くと曲の良さがより際立ちます。
その中でも、「なぜこれまで知らなかったのだろう?もったいない」と思ってしまうほど良い曲に巡り合ったので、特に残しておきます。
個人的な話から入って恐縮なのですが、この日は開場時間に間に合わず、開演ぎりぎりに到着しました。
もうお客さんはパンパンに入っている状態だったため、立ち位置としてはスタンディングのかなり端っこ、ほとんど柱と正対するような場所で観ざるを得ませんでした。
ステージは観えますが、真正面からは捉えられません。
雨にも散々当たったし今日は天中殺なのかな...とも思っていたのですが、そんなことを忘れさせてくれたのがPimm’sの一曲目「Like a Sunflower」でした。
この曲、Bメロ終わりから一瞬テンポを落として向かっていくサビのパートが光っています。
「過去のvision以上 その向こうへ」
という前向きな歌詞、疲れたときにしみるようなメロディーは心の琴線に触れてきます。
うっすら挟まれる「キラキラ音」の楽器(ツリーチャイムというのでしょうか?)も、胸を抜けていくさわやかさをさりげなく演出しています。
サビでは同じメロディーが2回繰り返されますが、良いメロディーだからこそこの「念押し」がより効くのでしょう。
何度も味わっていたいです。
QUEENS
「ボーイミーツガール」という曲でのサビでは、左右に動きながら腕を動かす動きなど、いわゆる「フリコピ」が楽しそうな動作が目立ちます。
特に「oh oh oh」と咆哮するパートには、何かを掴むような手の形をし、その腕を上げ下げするような振り付けがあります。
フロアも一緒になってこの動作をしていたのですが、これを見ながらなんとなく親近感を覚えたのが、ロックバンド・KEYTALKのライブでした。
ロックの世界ではアイドルと違ってフリコピという文化はあまりないですし、そもそも「振り付け」自体ありません。
ですが、KEYTALKに関しては振り付けとともに親しまれている曲が何曲かあり、ライブとなると会場の皆が一体となってフリコピをしだします。
ここでの振り付けというのはMVで演者が見せる動作や、バンドメンバーがやりだしたちょっとした動きからきているので、アイドルのいわゆる「ダンス」とは違います。
コレオグラファーが監修しているわけでもない単なる「動き」なのですが、誰でも真似できるその手軽さゆえ、振りの統一度合いはアイドル会場のそれを超えるかもしれません。
フロアが全く同じ動きで統一された「ボーイミーツガール」を観ていたこの瞬間は、アイドルのライブというよりも、ロックのフェスでのフリコピの流れを観ているかのように思えました。
また、余談ですがKEYTALKを代表する「MONSTER DANCE」という曲では、サビの歌詞「モンスターダンス!」のところで、指を少し曲げた状態のまま(おそらくモンスターを表現しているのだと思います)腕を動かすような振り付けがあります。
この部分は「ボーイミーツガール」の先に書いた振り付けと似ています。
そうしたところからも、両者になにか近しいものを感じていたのかもしれません。
QUEENS自体かなりロックを全面に打ち出していますし、ロッキンオン主催のフェス出ていても何の違和感もない気がします。
もう一つ、こちらは「こういう終わり方もあるんだ」と思ったのが、最後に披露された「ソラアオイデ」でした。
曲のアウトロがまだ流れる中、一人メンバーを残して他のメンバーは次々と袖に捌け、残ったメンバーが次回ワンマンライブの告知をして去っていき、そのまま暗転という終わり方でした。
告知の内容すら歌の中での口上かと思うほど自然だったのですが、こうした魅せ方は数あるアイドルの告知のパターンの中でも斬新でした。
一言、かっこよかったです。
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Pimm’sもQUEENSもグループのコンセプトとしては「ロック」を打ち出しています。
どちらもテイストは違えど、狭いO-Crestの箱に音が密集している快感がありました。
この2組を受け、最後に出演したのが転校少女*でした。
転校少女*も公演のタイトルに「Rock」を銘打つこともあったり、実際ロックテイストの持ち曲も有るにはあるのですが、前の二組と比べるとロック色はさほど濃くありません。
ロックに染まった会場の空気の中、どう出るのか。
二組終わるころにはお客さんも若干捌け、運よくセンターで観ることができた転校少女*の出番ではしかし、転校少女*なりのロックを見た気がしました。
転校少女*
この日のセットリストはこちらです。
まず、新曲の「春めく坂道」が披露されませんでした。ここが一番の驚きでした。
転校少女*は、3月31日にメジャー2ndシングル「春めく坂道」をリリースします。年明けに新メンバー3人が加わってから初めての新曲です。
本来、リリースを控えたこの時期は各地のCDショップやイベント会場にて新曲の「リリースイベント」が連日開催されるはずだったかと思います。
しかし、コロナの影響により、転校少女*はインストアでのリリースイベントを一切行わず、代替の販促イベントとして、オンラインでも参加可能なネットサイン会を開催しています。
オンラインのサイン会はメンバーがサインしてくれる様子が配信されるのみで、そこには曲のパフォーマンスなどはありません。
ではどんな場所で新曲を披露しているのかというと、今回のような対バンライブや主催ライブです。
したがって、今の転校少女*にとって対バンライブ出演の意義としては、新たに生まれ変わったグループの顔を売ることはもちろんのこと、本来ならばインストアで行うはずだったリリースイベントの替わりとして、新曲を宣伝するということもあるのでしょう。
事実、新体制となってからの対バンライブや主催ライブにおいて、恐らくほとんどの場面でニューシングル表題曲の「春めく坂道」とそのカップリング曲「リバース・エイジ」は披露されたかと思います。
ですがこの日、「リバース・エイジ」は披露されたものの、「春めく坂道」は無かった。
しかし、いわゆる「外向け」のセットリストとして、いわゆる「沸ける」曲ばかりで固められたわけでもありませんでした。
そうした曲で代表的なのは、フリコピなど動作が分かりやすく、誰でも楽しめる「WONDER WAVE!」「じゃじゃ馬と呼ばないで」などですが、これらは入っておらず、替わりにチョイスされたのが、情感を込めて届けるような「プロムナードの足跡」「情熱リボルバー」などでした。
このように新曲の縛りにとらわれず、かつ単純に楽しいだけではない曲を入れてきたところに、Pimm’sやQUEENSへの対抗と言いましょうか、ロックで充満した空気にこれらの勝負曲でクサビを打ち込むような意識を観たような気がしました。
もっとも、このセットリスト自体に深い意味はないのかもしれませんし、「春めく坂道」も良い曲ではあります。
今回のセットリストは「Mad Good Love」が入っているなど個人的には文句なしのだったので、あえて取り上げてあれこれ書いてしまいました。
しかし、今回のライブの見どころとしては、最後に披露されたロックナンバー「TRIGGER」に尽きることになりそうです。
「TRIGGER」はここ最近の対バンライブでも良いところで頻繁に披露されているからでしょうか、曲のイントロが流れ出したときから場内の期待の雰囲気はすさまじく、大サビともなるとファンの方々のジャンプ、いわゆる「マサイ」があちこちで起こっていました。
先日ライブレポを書いたアイドル横丁の対バンライブでもTRIGGERはラストの曲でしたが、まるであの日の再現VTRかのよう、いやフロアの密集度合いを考えればそれ以上の熱が道玄坂の一角に上がっていました。
また、マサイ以上に印象的だったのが、その大サビ直前の落ちサビで発生したクラップでした。
ボーカルの柱・塩川莉世さんが歌うソロパートなのですが、ここで4拍子のクラップが自然発生的に沸き起こったのでした。
この落ちサビパート、二つのセクションに分かれます。
前半では、伴奏の音が弱まり、照明も落ち、塩川さんの声がはっきりと浮き出てきます。
まさに「落ちサビ」というべき部分です。
世界が変わってく どんどん廻ってく
このわたしを中心に Round & Round! No.1!
後半もそれを引き継ぎ、変わらず塩川さんがソロで歌い続けるものの、ドラムスが伴奏に加わり、徐々にその音を増して直後の大サビまで煽ってきます。
ここが前半と大いに違う箇所です。
決して負けられない 戦いのその先
出逢いたい 笑顔がある・・・キミと
バスドラから放たれる規則正しい音は、まさに大サビに向けて助走をつけていくような感覚で、この日はそのリズムに合わせてクラップが発生していました。
ライブにおいての4拍子、あるいは裏拍でのクラップというのは、メンバーなどがステージ上誘導するときもありますし、曲やパートによってはお決まりのように毎回発生するものもあります。
例えば、「TRIGGER」のAメロでは、メンバーの誘導とともに2,4拍目を打つクラップというのはお決まりです。
しかしながら、ことこの落ちサビとなるとクラップが発生するイメージがありませんでした。
まだ短い転校少女*のライブ観戦歴ですが、記憶にありません。
そのため、誰からともなく始まったこのクラップは「まさかここできたか」と意外でしたし、気持ちの高ぶりをみなで共有していることを感じて非常に気持が良かったです。
もっとも、クラップというのは時にメンバーの歌声まで聴こえにくくしてしまう時があり、なんでもかんでも入れるべきではないと思っています。
またQUEENSのフリコピの時にも通じますが、ライブの楽しみ方は人それぞれなので、統一していない人が空気読めない、という雰囲気になってもいけないとも思っています。
そうしたことは頭に置きつつも、フロアの盛り上がりがハマっていたこの瞬間はどこかに保存しておきたいほど素晴らしかったです。
僕はマサイこそしませんが、手が痛くなるほど打ったクラップにより、それくらいにまで溜まったエネルギーを開放できた気分です。
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ライブレポは以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回のライブレポはあまりメンバーそれぞれについて触れることが出来ず、消化不良なものとなってしまいました。
Pimm’sとQUEENSについては観た位置が悪かった、逆に転校少女*は良すぎる立ち位置ゆえはしゃぎすぎてしまったというのが精一杯な言い訳なのですが、別の機会でこの3組にはしっかりと向き合って書きたいと思っています。