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【ライブレポ】7/22 LEADING SUMMER

今回は、7月22日(木)に開催された表題のライブレポです。
全6組のアイドルグループが出演の対バンライブでした。

210722_leading summer 出演者

もともとこのライブ、「LEADING GW」というタイトルで5月4日に開催予定だったのですが、緊急事態宣言の影響を受けて一旦延期となり、2カ月以上をおいてようやくこの日、出演者と会場を変えて渋谷・duo MUSIC EXCHANGE にて「LEADING SUMMER」として開催されました。

210722_LEADING summerタイテ

グループの毛色がバラエティーに富んだ対バンライブでした。

早速ライブレポへと移ります。

①透色ドロップ

ロングスカートの清楚な衣装、楽曲のさわやかに吹き抜けるような雰囲気、メンバーのビジュアル、さらには繊細な歌い方。
グループ名にたがわず、全てにおいて透き通るようなイメージを抱きました。

もっとも、音源で感じる歌声の繊細さは、伴奏が強めに鳴らされることの多いライブ会場だと当たり負けして弱弱しく聴こえてしまうのかな?と思ってもいたのですが、生で初めて観てみるとそんな懸念は払しょくされました。
むしろハーモニーの一致と響きは音源を超えていました。

とくに意表を突かれたのが、序盤「アンサー」「」の2曲でした。

ずっと目を背けるか?一歩踏み出すか?」と前進の後押しをしてくれそうな「アンサー」。
今年4月にメンバー5人が加わり、新体制となったタイミングでリリースされ、グループの現状に重ね合わせて「支え合って 補い合って 絵をえがくよ」と歌った「≒」。

音源を聴いて歌詞を眺めているのみだと、その向こう側で歌っているメンバーがどういった表情で曲に向き合っているのかまでは見えてきません。
この日観るまでは、先に書いたイメージ通り泥臭さとは無縁の、清廉さのみを出したパフォーマンスなのかなと勝手に思っていたのですが、これら2曲でのメンバーの表情はストーリーに対して真に迫っており、より歌詞が入ってきました。

人間っぽさを観たようで、ここでは良い意味で予想を裏切られました。

この曲ではまた、ややベージュがかったような明るめな髪と端正な顔だちでお人形さんのようだった橘花みなみさんのクールさが目を引きました。
ターンで目を切る直前、目の端のほうでフロアを見やるところも素晴らしかったです。

(※友情出演:転校少女* 佐藤かれんさん)

また、これはステージ外の話ですが、透色ドロップメンバーのツイートを見てみると、その内容や言い回しが独特で面白いメンバーが多く、ここも新たな発見です。

②NEMURIORCA

「 に ん げ ん を す く い た い 」 をユニットコンセプトに掲げ、純白の衣装に身を包み2018年12月にデビューした正統派アイドルユニット。

NEMURIORCAは、ほとんどノンストップというライブ構成で勝負してきました。
単に全6曲をぶっ通しで披露したというだけでなく、例えば一曲目「君と融通する」では、パート割を変えながらメンバーの歌声が最後まで繋がれ、絶えない一編の流れが出来ていました。

メンバーの歌声の特徴としては、マイクに乗ったときにエフェクトがかけられているのか、高音が強調されて聴こえてきました。
こうしたエフェクトがかった声質は、「夜ニトラゼパみゅ」などでの電子音のようなピコピコ音とよく合っています。
その中にあって、おそらくレンさんだとは思うのですが、彼女の太めの歌声は異彩で、ひとり存在感を放っていました。

また、NEMURIORCAのもう一つの特徴として、ざっくりですがメンバー各人の見た目や歌声などがバラバラという点があると思います。
誰かしらは刺さるであろうという入り口の多さは魅力的に映ります。

その中で特筆したいのが、金髪ショートの「ロキチャン」。

ところで、この日のライブレポを見直したときにふと気付いて情けなくなったことなのですが、今回どのグループについても、髪色が明るめのメンバーにばかりフォーカスしてしまっています。
そういうつもりで観てはいなかったのですが、派手髪という見た目に吸い寄せられていることが誰の目にも明白で、お恥ずかしい話です。

それはともかく、ロキチャンの顔はその短い髪によって隠され、途中ライブの勢いとともに髪が上がって一瞬のぞいたものの、再び見るとまたすっかり髪で隠されてしまい、結局ライブ中にその顔を認識できた時間はわずかでした。
一体何者なのだというミステリアスさを醸しており、特に僕にとっては初見だったので余計でした。
かといって毎ライブで顔を隠しているわけでもなく、むしろ髪を上げておでこを出している日もあるらしいなのですが、そこで見たらまた感じ方が違ってくるのかもしれません。

また、恐らく「シャチメロン」だと思うのですが、曲中長い間奏が流れている間、ロキチャンはこのライブの数日後に予定されていた3カ月連続ワンマンライブへの思いを熱く語っていました。
もちろん顔は隠れたままです。
記憶違いでなければ、MCの時間をほとんど取らなかったライブでは唯一の告知タイムだったかもしれません。
曲の流れを止めないまま言い切ったそのコメントにも熱いものを感じました。


③転校少女*

Overtureに続き、佐々木美紅さんを先頭にステージに出てきたメンバーは、一曲目に「プロムナードの足跡」を披露しました。
下手の佐々木さんのソロダンスから始まる、転校少女*の特徴であるエモーショナルを体現した曲です。

これに続いたのが「With You」。
「With You」もまた、「感情の花びらがそっと流れてく」青春の一ページを歌った情感たっぷりな曲です。

エモーショナルなこれら2曲の時点で、会場の空気は水を打ったように静まり返りました。
この日出演の全6組を振り返ってみても、贔屓目とは認めつつも、このブロックでの空気は異質でした。

おのずと歌が浮き彫りになる雰囲気となったのですが、塩川莉世さんや松井さやかさんを筆頭にメンバーの歌声は味わい深く、これら2曲を引き立てていました。
安心して身を任せられる歌声をがいつもそこにあるというのは、転校少女*の何よりもの強みだとつくづく思います。
伴奏の音圧に頼らず、ボーカルだけで勝負できるアイドルグループが他にどれほどあるのでしょうか。

メンバー個人にフォーカスすると、このブロックでの佐藤かれんさんの表情にははっとさせられました。


佐藤さんの真髄はその笑顔にあるとばかり思っていましたが、シリアスな場面でもすごく良くなっています。
歌詞を咀嚼し、世界により入り込んでいるのが表情に出ています。

さて、エモーショナルな2曲のあとの3~5曲目では打って変わり、「PAINT GIRL」「TRIGGER」「Girl*s Time」という、静まり返ったフロアの活気を取り戻すような曲が並びました。

対バンライブということもあってでしょうか、塩川さんは歌いながらフロアの上手~下手にかけ、フロアを起こしていくかのようにじっくり眺めていたり、松井さやかさんはいつも通りフロアを盛り上げつつもメンバーと目を合わせてうなづいたりと、フロアやメンバー間でのコミュニケーションをいつも以上にとっていたことが印象深かったです。
今回のようなアウェー感のある対バンライブでは特に、メンバー同士のふとしたコミュニケーションを目にするとなんだか心が暖かくなってきます。

このブロックの中で取り上げたい曲が4曲目の「TRIGGER」。
最も熱を帯びた曲です。
ここでは、落ちサビ「決して負けられない 戦いのその先 出逢いたい笑顔がある・・・キミと」とソロパートを歌い終わった塩川さんが、充実の表情で天井を見上げていました。
会場の盛り上がりへの満足なのか、自分の思うような歌声を奏でられたことへの満足なのか分かりませんが、これは普段はあまり見せることのない姿だったように思います。

そして佐々木美紅さん。
「TRIGGER」の間奏では、手で繰りながら弾みをつけるように足を蹴り上げる振り付けがあるのですが、ここでの動きは迫力たっぷりでした。
佐々木さんの、笑みを浮かべながらのパフォーマンスにはもはや感嘆しかありません。


④群青の世界

「いつも見上げる果てしなく青い世界には、まだ足りないものがある」

無駄をそぎ落として洗練された曲調は、トゲなく耳に入ってくる感じで、予習の時点で一番聴きやすかったです。

ただ、この日は直前の転校少女*の余韻を引きずっていたこともあってか、失礼ながらあまり書けるほど入り込めませんでした。
その代わりといってはなんですが、群青の世界はこのライブの翌日に開催された「TOKYO GIRLS GIRLS」という大型対バンライブにも出演しており、そのステージも観に行っていたので、こちらの雑感をもって替えとさせてください。

印象に強く残ったのが「BLUE OVER」。


メンバーの歌いだしとともにフロアから歓声が上がったことから、人気曲なのだとわかります。
ギターの旋律がクセになるロック調の曲ですが、ここでのメンバーがみせるコンテンポラリー風とも思うようなスローモーションは、速めのテンポで刻まれる伴奏とともに時間の奥行きを感じさせてくれます。

また、あくまで個人的趣味なのですが、グループ名になぞらえた淡い水色の衣装、そして爽やかなメンバーのビジュアルは目にも優しく、熱さを増していくライブの中でもなんだか地に足を付けたような落ち着きを感じさせてくれました。

群青の世界に関しては、今回のライブでは自分が集中力を欠いていたためライブレポの内容が薄くなっていますが、内心では今後も見ていきたいグループの一つになりました。

この二日間は村崎ゆうなさんが不在で4人でのパフォーマンスでしたが、近いうちにフルメンバーを観たいものです。


⑤INUWASI

ステージ上で飛び跳ねんばかりに上下に激しく揺れるメンバーと、それに乗せられたようなフロアの異様なまでの盛り上がりがINUWASIのステージにありました。
フォーメーションチェンジなど横移動が激しいアイドルはたくさんいますが、INUWASIのように縦の動きが印象的なグループはそう多くありません。
ときにステージ上の機材に片足を乗せながら、INUWASIメンバーは25分間のパフォーマンスをこなしていました。

どの曲かすっかり忘れてしまいましたが、速くなったり遅くなったりと、曲中にテンポが次々と変わる曲もあったのですが、それでも音程やリズム感を外していないかったことが素晴らしいです。

おそらくすずめさんだと思うのですが、「Hades」でのソロパートなど、目の覚めるような良い声も聴くことができました。

これは完全に余談ですが、この日の会場はステージから楽屋の通り道にフロアの上手後方を通るようになっていて、ライブの行き帰りや特典会に向かうグループがたびたび後ろを通り過ぎていきました。
INUWASIが出番を終えて戻るとき、誰かが「おなかすいた~」と言っていたのですが、背中越しに聴いたこの何気ない一言で、メンバーのライブを終えた充足感や、しかしまだまだ余力を残しているのではという雰囲気を垣間見た気がします。

⑥NightOwl

折原伊桜さんのボーカルには度肝を抜かれました。

歌声を自在に操っているのではないかと思うほどボーカルに長けたアイドルは何人か目にしてきましたが、赤髪ロングというビジュアルから強烈な折原さんもその一人でした。
音程の正確さや、自由な声量の変化には聴き入ってしまいました。

折原さんはまた、歌声だけでなくフロアすらも掌握しているようで、ある曲のワンシーンではセンターに立ったまま、歌わず踊らずフロアをただ満足そうに眺めまわしていました。
先に貼った公式ツイッターにあるライブ画像はまさにこのシーンかもしれません。
このたたずまいは、もはやいちライブアイドルのそれではありません。

ただ、NightOwlは折原さんだけのグループではないというのも事実で、例えばピンクの髪色をした百城凛音さんの歌声も良かったです。
派手髪のふたりにばかり視線を取られてしまいましたが、雨夜憧さん、長谷川嘉那さん、望月さくらさんの、フロアのボルテージを上げつつ統率されたパフォーマンスもありました。

折原さんはMCで「可愛いアイドルさんがたくさん出ている中、大阪から来たこんな厳ついグループがトリを務めることに緊張していますが...」とコメントしていましたが、たしかにたった2時間ほど前には透色ドロップが立っていたとは信じられないほど、NightOwlの空気がこの日の最後を支配していました。

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以上がライブレポです。
今回のような様々なカラーのグループが集まる対バンライブは、対比効果的に各グループの特色が強調されるため、よく見知ったグループでは新たな発見というか、気付くことが多くありますし、全くの初見グループでもどういったグループなのか掴みやすいです。

同系統のグループで固まる対バンもそれはそれで安心感があるのですが、定期的にこうしたライブに出向くのもかなりいいものだと再認識しました。


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