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【ライブレポ】東京アイドル劇場mini 夢∞NITY 単独公演(20210923)

9月23日、お茶の水にあるYMCA スペースYホールにて表題のライブが開催されました。

この日出演の3人組アイドルグループ・夢∞NITYは2021年2月26日にデビューしたばかりの新興グループです。

初見では読みにくいこのグループ名は、「ドリームインフィニティ」と読みます。
夢ニティ」と言われることが多く、言いやすさからこの通称のほうで呼ばれることの方が多いようです。

◆セットリスト
1. 夢はINFINITY
2. しゅわしゅわサマー
3. カラフルーティーン
4. 1歩ずつ~step by step~

ライブ中のMCでは時間を長めにとり、この日はまもなくリリースされる1stアルバム「はじまり」の販売記念リリースイベントをしてきたこと、リリイベとアイドル劇場の間に遅めのお昼ご飯をとったことなどを話していました。

ごはんの席では、後藤楓さんが髙乃彩愛さんと分け合うつもりで注文したサラダがお腹いっぱいでほぼ食べられず、結局髙乃さんがほとんどを食べた話へと広がるなど、髙乃さんの胃袋の大きさエピソードもありました。
ツイッターに「#さえのラーメン博」と、ラーメンを食べ歩いた記録をつけている髙乃さんは、「頭の8割方が食べ物」に支配されているとおり食べ物が大好きなんだなと、このやり取りで伝わってきます。

ゆったりとした時間が流れたMCコーナーでしたが、次への展開もしっかりとなされていました。
もうすぐ10月になろうとしているにも関わらず、夏のような暑さだったこの日の天気に触れ、髙乃さんが「夏に飲みたいものってなんですか?」と石井栞さんに振り、「やっぱりサイダーですね」と石井さんが応じてから2曲目「しゅわしゅわサマー」に移るという流れは繋ぎ目に気が付かないほどスムーズでした。
まだ音源化されていないようですが、イントロからサイダーのシュワシュワ音が聴こえてくる爽快感ある曲です。

以前から気になっていた曲がありました。
ラストに披露された「1歩ずつ~step by step~」です。

曲の始まりに注目します。

髙乃さんと後藤さんは後ずさり、センターに広めの空白を作ります。
センターに立つのは石井栞さんです。
前に踏み出し、ゆっくりとマイクを握りました。
二拍分の音を合図に、石井さんは歌いだします。

ここでガラッと空気が変わりました。
YMCAホールの良い音響を最大限に活かし、石井さんは足で細かくリズムを取りながら見事に歌い切ります。

映像でも石井さんの歌声には押されていましたが、生で観ても感激が押し寄せてきます。
このソロパートを聴けただけで、この日観に来ただけの価値があったとすら思えるほどの充足感が、ここにありました。

石井さんについてもう一つ、書いておきたいことがあります。

ここに、この日と同じくYMCAホールで開催のライブ中に撮影された「step by step」のライブ映像があります。

動画をしばらく見ていただければわかると思うのですが、センターに立った時の石井さんは、常にカメラのほうを向いています。
カメラ目線の多さは、YouTubeにアップされることを意識しているからなのかとばかり思っていましたが、どうやら必ずしもそれだけが理由ではなさそうです。

この日僕は、フロア中段のやや上手側からライブを観ていました。
そのつもりはなかったのですが、この座席位置はちょうどステージ上、3人が立った時に一番上手側に立つメンバーとちょうど正対する位置にあります。
「ゼロズレ」と、アイドル用語で称されます。

ライブ中、ゼロズレポジションに来た石井さんは、こちらを観たまま、その目線をなかなか外しませんでした。
同じ列にお客さんがほぼいなかったこともあるのでしょうが、自意識過剰とはもはや思えないほどに石井さんは凝視してきます。
他の位置、例えばセンターや真逆の下手側でも同様で、真正面にいるお客さんをじっと見つめていました。

フロアとステージの距離が近いライブアイドルを観ていると、アイドルと目が合うことがたびたびあります。
たいがい偶然ですが、こちらが射すくめられてしまうほどに見られるというのはなかなか経験がありませんでした。

ところで、夢ニティはグループとしてはデビューからまだ1年と経っていないものの、メンバーみな実力者です。
メンバー3人中2人はアイドル経験があり、7月よりプロデューサー兼任の髙乃彩愛さんはもともとParty Rockets GTメンバー、石井栞さんはからっと☆、Fullfull☆Pocketというグループに所属していました。

後藤楓さんこそ唯一のアイドル未経験者ですが、後藤さんも後藤さんでその自立した歌声は、ボーカルに長けた石井さんと肩を並べそうなほど綺麗に響いています。
YouTubeのコメント欄には、あまりの歌の上手さから、ついこないだまで素人だったとは思えないと書かれていましたが、全くの同意見です。

ただ、今のパフォーマンスにその全てが反映されているかというと、本来の実力はまだまだ隠されているような気がします。

振り付けを見ても、ゴリゴリに踊るわけでも無いですし、舌を巻くような圧倒的な動きをつけているわけでもありません。
ダンスはごくシンプルなように見えます。
ソロパートを見ると、ソロを歌うメンバーの動きは少なく、ダンスと歌との役割が明確に分けられています。
激しく踊りながら歌うというイメージではありません。

ですが、というかだからこそというべきなのでしょうか。
パフォーマンスはとても丁寧です。
手を振るだけの振り付け一つとっても、手をムチのごとくしなやかに使っていて、動きも揃っています。

振り付けのシンプルさも、ソフトな曲が多い持ち曲の曲調に合わせたものだと思いますが、これから曲目も増え、ライブ時間も長尺になったときにリミッターが外れるところもぜひ見てみたいなと思ってしまいます。

見出し画像:東京アイドル劇場mini公式ツイッターアカウント(@shibuyaidol)画像を改変


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