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【ライブレポ】転校少女* 遅めのひな祭り公演2021

3月7日に渋谷のStudio freedomにて開催された表題のライブレポです。
一部と二部が開催されましたが、この記事は第二部についてです。

2021年1月に新メンバー3人を加え新体制6人組となったアイドルグループ・転校少女*ですが、先日全国ツアーの開催が発表されました。

ツアーに向けて6人で出来る曲数を増やしつつ、新体制の宣伝も兼ねて対バンにも連日出演しているという現状のですが、この日のスケジュールも多忙なものでした。

昼にはこのひな祭り公演を2本こなし、夕方は新木場に移って対バンライブ、夜はメンバーによっては個人配信や3月末にリリースされるメジャー2ndシングル「春めく坂道」のネットサイン会と、活字だけでも盛りだくさんです。

そうした多忙の中の今回のライブでしたが、しかし隙のないパフォーマンスだったように思いました。

うろ覚えで恐縮なのですが、セットリストは確かこうでした。

M1. 春めく坂道(3/31リリース新曲)
M2. ショコラの独白
M3. リバース・エイジ(3/31リリース新曲)
M4. じゃじゃ馬と呼ばないで
M5. Girl’s Time
M6. 情熱リボルバー

最後に披露された「情熱リボルバー」は新体制となってから初披露とのことでした。

毎回、僕のライブレポではセットリストやライブの流れは無視で、このメンバーのここが良かった!みたいな点しか書いておらず、ライブレポとは名ばかりの内容になってしまっています。

反省もしていますし、これをライブレポと呼んでいいのどうかということについては悩んでもいるのですが、だからといって今回特別変わるわけでもありません。

特筆すべきメンバーに触れつつライブの内容に入っていこうかと思います。

今回特筆したいメンバーはこの4人の方です。

・余韻を楽しめる歌声・小倉月奏さん
・メインボーカルに肉薄する・佐々木美紅さん
・「ガルタイ」の大人びた表情・成島有咲さん
・笑顔以外も良い・佐藤かれんさん

まずは小倉さんから。

余韻を楽しめる歌声・小倉月奏さん

直近に書いた対バンライブでのレポでは、転校少女*のメインボーカルを張る塩川莉世さんについて、その歌声を「素晴らしい」と表現しつつも、転校少女*のボーカルの強さは塩川さんだけではない、歌が上手いメンバーは他にも居るというのが転校少女*のすごいところなんだ、ということも書きました。

そのなかの一人として今回取り上げたいのは小倉月奏さんです。

小倉さんの歌声は角やトゲがなく、柔らかい雰囲気で、これは今回のライブの序盤で披露された「春めく坂道」や「ショコラの独白」で特に大きな武器となっていたように思います。

この日メンバーが着ていた着物風の衣装にピッタリな和風のメロディーや、春の日差しが差し込んできそうな歌詞が特徴的な新曲「春めく坂道」。

「切ないね片思い 神様なんて意地悪」という歌詞に始まる、胸が痛くなるような失恋ソング「ショコラの独白」。

どちらも微妙な感情の動きや移ろいゆくものの儚さを表現した曲だと思っているのですが、小倉さんのソロパートではとりわけ、そうした曲の世界が豊かに広がっていたように感じました。

歌声の声量や音圧で比較すると、オリジナルメンバーである塩川莉世さんや松井さやかさんが一つ抜けているかなという印象で、小倉さんはそうした点では引けをとるかもしれませんが、二人とは違う包み込むような独特の柔らかさがあります。

たとえば歌い終わりをみてもも、オリジナルメンバー二人は割と短く息を吐き出すようなイメージなのですが、小倉さんは先に書いたようにあくまで柔らかで、いわば「散り際」の余韻が残ります。

次のパートに移る直前の歌い終わり、小倉さんの歌声はゆっくりとフェードアウトしつつも消えきることはなく、音がかすかにフロアに残り続けます。

この瞬間は、一瞬伴奏のテンポが落ちたのかなと錯覚するほどに長く感じます。
単なるロングトーンとも違うと思うのですが、その余韻は、音が消えきる最後まで楽しんでいたいとすら思います。

序盤の2曲で小倉さんの歌声をたっぷりと浴びたため、「今日書くのは小倉さんかなぁ」なんてことをぼんやり考えてもいたのですが、後半にかけては特に新メンバー3人の見せ場も多かったので、続いては彼女らについても触れていきます。

佐々木美紅さん

佐々木さんについて今回特筆したいのは6人体制で初披露となった曲「情熱リボルバー」での存在感でした。

以前にも書いたことの繰り返しで恐縮ですが、情熱リボルバーはとくに、松井さんのソロパートから始まる1Aメロのインパクトが強いです。

歌詞でいうと「土砂降りのアウェイ感が 頭押さえつける」の部分なのですが、松井さんは各節を短く強く吐き出すように歌い、イヤホンだとその息遣いまでもが伝わってきます。

塩川さんもどちらかというとそのタイプで、先述した小倉さんとは少々趣を異にします。

アツイ血の色 身体駆け巡る」という歌詞通り、たぎる情熱が松井さんのこのブレスによって表現されているかのようです。

まさに「情熱リボルバー」の名にふさわしい出だしなのですが、新体制となりこの松井さんに続くソロパートをあてがわれたのが佐々木さんでした。
この歌詞です。

むしろ上等 向かい風は 相当 越えてきたし

松井さんが歌った逆境を「むしろ上等」と迎え撃つ、松井さんの勢いを継いで加速させるようなイメージの歌詞です。
松井さんパートが印象強いだけに、どう聴こえるのかな?と思っていましたが、この日の佐々木さんからは、松井さんに劣らぬ芯の入った歌声が聴こえました。

先ほど、声量ではオリジナルメンバーの塩川さん、松井さんの力強さが抜けていると書きました。

確かに2人の安定感は毎度高いのですが、こうしたパートなどで存在感を示している佐々木さんの歌声を聴くと、これからのツアーにかけて佐々木さんの歌声がどうなっていくのか、もしかしたら近いうちに2人に肉薄するのではないか、などと考えだして色々期待が膨らみます。

情熱リボルバーではさらに、大サビ前の間奏にて、ギターソロに合わせてソロダンスをするパートがあります。

時間にして15秒程度とかなり長い見せ場なのですが、佐々木さんはこのソロダンスも任されていました。
こちらはこちらで、土台が安定している一方で手先や関節は自由自在で、1Aメロでの歌声同様一本芯が通っていた印象でした。

このパートの見どころはソロダンスだけでなく、ソロダンス終わりに佐々木さんが前傾姿勢となり、後ろに控えていた松井さんが現れて一番の見せ場「OH MY SOUL」をシャウトするという、センターの奥行きを使った一瞬の流れも注目すべきポイントだったりします。
ここはぜひ真正面の位置から観たいところです。

成島有咲さん

成島さんは「Girl’s Time」にて突出していたように思いました。

この曲はファンも一緒になってクラップする場面がイントロやサビ前などに挟み込まれていたり、振りコピも楽しかったりと、アイドルフェスや対バンライブなど外向けのライブでも頻繁に披露される、人気の盛り上がり曲です。

横に並んだメンバー6人ともそれぞれの笑顔を見せている曲なのですが、この日観てみると成島さんは時折笑顔を封印して大人っぽい顔を見せていました。
衣装との相性もあったのかもしれません。

この日は普段の衣装とは違って着物風の衣装だったのですが、肩を出している成島さんのいでたちがこの表情と見事にマッチしていました。

これは以前の記事で書いた、同じく盛り上がり曲「TRIGGER」で見せた佐々木さんの真剣な表情にも通じるところなのですが、6人が横並びでステージに立ったとき、ちょっとでも違う顔を見せるメンバーが一人でもいると目につきますし、そのことがグループとしての表現に奥行きを与えている気がしています。

ところで、少し趣向は変わるのですが、この日の成島さんについてもう一つ書いておきたいことがあります。
今回のひな祭り公演では、曲のパフォーマンスだけでなく、ミニコーナーも設けられていました。

内容としては小倉さんが仕切りで、どれだけTシャツを早く綺麗に畳めるかをメンバー対抗で競うという企画で、小倉さんの独断によって最下位となってしまった人は、ツイッターに罰ゲーム動画をあげないといけないというものでした。

例えば佐藤さんは「畳み方が分からない...」なんて言いながら必死で畳んでいたり、松井さん塩川さんはショップ店員さんばりにきれいに畳んでいたりと様々見どころがあったのですが、結果小倉さんジャッジによる最下位は成島さんでした。

Tシャツの畳み具合ははっきりとは分かりませんでしたが、他のメンバーの反応を見る限り佐藤さんあたりが最下位なのだろう、となんとなく思っていたのでこの結果は意外でした。

やはりどうやらかなり佐藤さんに忖度していたようでした。
小倉さんはジャッジの前に「媚びとか私には通用しないから」と前振りしていたのですが、そう言っておきながら、普段妹と公言するほど可愛がる佐藤かれんさんに甘々の判定をし、それなりに畳めていた成島さんがその割を食ったような形となったのでした。

フリが効いていて、一つのパッケージとして観ているぶんにはかなり面白かったのですが、あまりに理不尽で、当の成島さんとしては納得できていない様子が顔にありありとでていました。

笑いに落としつつも明らかに不満の色はあったように思えました。
成島さんの不満の表情を目にした小倉さんも、笑いながらではありますが「曲中(成島さんに)目を合わせてもらえないかも」などと言っていたほどです。

とはいえ、ほんのミニコーナーの一部の出来事なので、こうして書くほど大げさなものでもないというのはお断りしておきますが。

さて、成島さんが素晴らしかったのはその後です。
ミニコーナーの後に2曲程披露されたのですが、ここでの成島さんは見事に表情を切り替え、曇り一つない笑顔を見せていました。
ミニコーナー前よりもいい笑顔だったのではないかと思ってしまうくらいです。

コーナーはそれとして、ライブ中では切り替えるのは当たり前だと言われればそれまでですが、自分に置き換えて考えると、いちゲームでの出来事とはいえ笑うのはなかなか難しかったりもします。

次に書く佐藤さんもなのですが、成島さんは非常にアイドル力が高く、こういった点でもそれを感じることとなりました。

佐藤かれんさん

本人もファンによって撮影されたライブ写真を見返し、「こんなに笑顔が多いんだ」と驚きつつツイートしていましたが、佐藤さんの笑顔は確かに目立ちますし、さらにはこちらまでほぐれるような、人を巻き込む魅力までもあります。

しかし、笑顔ばかりかと思いきや、それ以外の表情も素晴らしく、ここにも触れておきます。
新曲の「リバース・エイジ」では「笑えないよ 自分のことが」という歌詞をメンバー6人で横並びになって歌うパートがあります。
ここで見せた佐藤さんの泣き笑い顔は、歌詞の世界観を一番色濃く表現していたように思いました。

新メンバーのうち、成島さんや佐々木さんは締まった顔をたびたびしますが、あくまで笑顔のイメージが多い佐藤さんがそうした表情をすると、ただならぬ雰囲気が一層強く醸し出されているように思います。

佐藤さんはこの日のMCにて新曲リリースにまつわる告知もしていましたが、ここでのコメントも非常にさわやかで、具体的にどこが?と言われると曖昧なのですが、やけに記憶に残っていました。

笑顔の多さだったり、気を引き締めるところはそれなりの表情をする、といった点は僕としても見習うべきところだなと思っています。

一方で、佐藤さんには思わず突っ込みたくなるような抜け具合もあります。

新体制初披露となった「情熱リボルバー」についてですが、ライブ前のメンバーのツイートにより「今日は新体制で初披露の曲があるらしい」ことは分かっていたのですが、その曲が何なのかについては実際に披露されるまでは明らかとされていませんでした。

この日、いよいよ初披露の曲へ!となり、メンバーがそれぞれの立ち位置に移ったとき、最後のヒントも込めてでしょう、佐藤さんはメンバーから「次やるのはどんな曲?」とコメントを求められていました。

うまくぼやかしながらなんとなく曲の特徴を示唆しないといけないところでしたが、佐藤さんはここで「情熱的な…」とコメントしてしまい、これはもう他でもない「情熱リボルバー」だろうという、半分ネタバレのような空気になっていました。

メンバーからも突っ込まれたり、「(情熱とは異にするエモーショナルな)銀河列車かもしれないしね!」なんていうフォローも受けたり、ここでもひと笑いあったのですが、こうした所は自称「ぽんこつ」である佐藤さんの魅力のひとつかもしれません。
小倉さんが妹のように可愛がりたくなる気持ちも分かるような気がします。

ーーー

ここまで、メンバーそれぞれの目立っていた点などを思い出せるままに挙げてみましたが、転校少女*のメンバー6人が横一列に並んだ画の中では、どこを観ていいのか分からないほどそれぞれのメンバーに良さがあります。
僕もまだまだ目を向けられていない部分は多いです。
こうして書いたのもごくごく一部の切り取りに過ぎません。

この先数カ月はツアーやらライブやらイベントやらが目白押しと思われますが、この期間にかけてグループの魅力にさらに気付き、ライブレポなどを通してそれをお伝え出来たらと思っています。

【追記】
本日3/10に、ライブレポでも触れた転校少女*メジャー2ndシングル「春めく坂道」のMVが公開されました。
MVは一編の物語になっていて、見ごたえあります。

いずれこの曲についてもご紹介の記事を書こうかと思っています。

見出し画像出典:転校少女*(@tenkoushoujo)公式ツイッター画像を改変


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