【ライブレポ】Killer Tune SHIBUYA 2021 Vol.3【Fragrant Drive出演分】
【抄録】
5人組アイドルグループ・Fragrant Driveのライブでは、「Snow Dust」に代表される、聴かせる曲でのメンバーの歌声が特に光っていました。
今回は、3月27日(土)にSHIBUYA CYCLONEにて行われた表題のライブレポです。
計20組以上が出演の対バンライブでしたが、Fragrant Driveはトップバッター、時刻にして10時30分の出演でした。
Fragrant Driveを観るのはまだこれで2回目なのですが、初めて観た時と同様、歌声の良さに感じるところがありました。
この日2曲目に披露された「Snow Dust」という曲を中心に、思い出せる限り書き連ねていこうと思います。
「Snow Dust」は冬の情景をもとに、手袋の紐を赤い糸に例えたり、空回りする想いを「溶けた硝子」に例えたりしているなど、詩的な表現が目立つしっとりめの曲です。
この曲で注目したいのが、いわゆる「落ちサビ」の部分です。
ここでは降り積もる雪を表現したかのようなピアノの音以外を残し、他の音はほとんど消えてしまい、メンバのー歌声だけが強く浮き出てきます。
心から想うのは 君のことだけなの
降り積もる この想い まるで雪のダストね
この落ちサビのソロパートを歌うメンバーが三田のえさんです。
三田さんはイントロの直後のソロパートも担当しており、この曲においての存在感はかなり強いという印象です。
三田さんの歌声からは、上ずったような感覚を抱きました。
泣きそうにも聴こえるこの歌声は、「心から祈るのはキミの幸せなの」と言いながらも未練を残すこの曲の印象を抑えているようでした。
また、とくに母音の「o」を発声するときの、引き延ばされる感じは素晴らしいです。
以下のリンクには、今年(2021年)1月に行われたとあるライブ中の当該パートの切り抜き動画を貼ったのですが、この動画より生で見る方がかなり良かったです。
特にテンポ感がピッタリに思います。
そして、話が前後してしまうのですが、三田さんが歌いだす落ちサビの直前、ここでのメンバー全員の歌声の重なりも見事でした。
冒頭にも書いたように朝の一発目、対バンのトップバッターでありながらも、眠さをどこかへ追いやるように音圧は強かったです。
このパートではさらに、5人それぞれが歌いながらなにかを思うように目をつぶった表情も良かったのですが、動画で詳細に書かれているほどに細かくは観られてはいなかったので、今後ちゃんと観たいところです。
「Snow Dust」の魅力については、YouTubeのFragrant Dirve公式チャンネルにアップされているライブ映像でも紹介されています。
ここからは、全体を通して印象的だったメンバーの方について書いていきます。
まず、辻梨央さん。
多くの曲で重要なパートを歌っているなという印象なのですが、声の厚さが目立っていました。
さほど広くない渋谷CYCLONEのキャパだと、音が会場の端と端で何度も跳ね返っているように思えるほど響いており、それこそ渋谷CYCLONEの隣にある500人キャパのライブハウス・渋谷WWWで歌っていても会場に負けないのではないかと思います。
そして、グループの中でハイトーンを担っていると思われる片桐みほさん。
片桐さんの発声はなにか独特のものを感じました。
声量を息の強さで増しているというよりも、声の響きを上手くマイクに乗せて増幅させているという印象です。
そのため、その歌声は優しくもしっかりと聴こえてきます。
三田さんしかりですが、配信を見るより、その場で聴くほうが格段に良いメンバーの一人かもしれません。
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かなりポイントを絞って書いたため、全てのメンバーについて触れておらず、しかも書いたのは1曲についてのみというのが恐縮なのですが、以上が今回のライブを見ての雑感です。
ところで、Fragrant Driveのライブ動画は、ここ最近SNSやYouTubeに頻繁にアップされています。
先ほどリンクを貼った動画もその一つですが、単なるライブ映像ではなく、動画内にはメンバーのコメントも添えられています。
「この振りはこういうイメージ」とか、「落ちサビではこんな感覚」などステージに立つ人しか分からないようなことを動画内に挟みこんでくれていたり、動画内に書かなくともこのようにツイートしてくれています。
ライブ映像そのままの動画は数多く有れど、メンバー本人によるこうした「曲をどう聴かせるか」を綴ったコメントは意外と見かけません。
あまり見ないものの、ライブの理解を深めるという点では、この試みは非常にありがたいものです。
フロアから眺める我々がライブを通じて感じたことと、メンバーがその曲、そのステージで表現したいことは必ずしも一致するわけではないと思います。
しかし、メンバー側からこうした「こういうつもりで歌っている」などのコメントでステージ上での感情を教えてもらえることによって、そのギャップも少しは埋められるような気がしますし、それにより我々がメンバーと同じ方向を観てライブの世界に浸り、ライブをより楽しめるような気がするのです。
繰り返すように僕にとってはまだ2回目のFragrant Driveだったのですが、こうした動画のおかげで他の曲についても予習ができ、2回目とは思えないほど楽しめました。
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この日、直後に予定が入っていたため、Fragrant Driveの出番の後は急いで帰ってしまったのですが、普段特典会には行かない僕でも、この日は時間さえあれば「良いライブでした」と直接メンバーに感想をお伝えしたかったのにな、と思うくらい素晴らしいライブでした。
見出し画像:Fragrant Drive公式ツイッターアカウント(@FD_LTG)画像を改変