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【ライブレポ】TOKYO GIRLS GIRLS 2022.4.24(かめリリ、青セカ出演分)

4月24日(日)に品川インターシティーホテルにて「ガルガル」こと「TOKYO GIRLS GIRLS」が開催されました。
定期的に開催される、30組くらいのアイドルグループが出演する大きな対バンライブなのですが、今回観たのは実質2組だけなのでこの2グループについて書いていきます。
大規模対バンでこのような回り方をする人はあまりいないと思いますが、この2組だけで大きなプラスでした。

◆タートルリリー

アイドル界にも「シマ」というか界隈というか、住みわけがなされているのかなと感じる場面が多いです。
いくつものグループが出演する対バンは、土日平日問わずあちこちで様々なかたちで開催されていますが、同じような規模感だったり似た系統のグループなのに全くと言っていいほど交じり合わないケースがままあります。
その逆で、他事務所で一見直接の関わりもなさそうなのに姉妹グループなのかと思うほど仲良くステージを共にすることもあります。
オタクの絶対数が減っていると言われる今の時代、取り合うより分け合う方が合理的だということなのでしょう。

一見して広く雑多なアイドル業界ですが、それはあくまでイメージなだけで、実際は網の目状にグループが行き交うというよりも、どうも狭いシマをぐるぐるしているのが現状のようです。
御多分に漏れず「ガルガル」も常連組はわりと固定されている一方で、出ないグループは全く出ません。

狭いシマの中で楽しむのもいいのですが、時に同じ顔ぶればかりだと飽きてくるというか、ぐるぐるしている事実にふと冷めてしまうことがあります。
とはいえ、強調しますが界隈が違うと全くライブが重ならないわけで、知るすべもありません。
今知っているグループを見続ければいいというのも分かるのですが、そのおかげでどれほどのグループの旬を見逃してきてしまったのだろうと思うことがあります。
アイドルは短い命、出来るだけその一瞬を見届けたいと思うものです。

2019年に結成された5人組のタートルリリーというグループも、あやうく知らずに過ごしてしまう一つになってしまうところでした。
かめリリ」という愛称で、このガルガルには初登場でした。
自分がこれまで観てきたグループと重なることはほとんどありませんでした。
別グループ経由で知り合った方からのご紹介がなければまず知ることが無かったか、知ったとしてもタイミングは相当遅くなっていたかと思います。

かめリリ紹介画像

ご紹介いただいたときに最新曲「ダイヤの翼」のMVを観たとき、直感的に「好きなタイプだ」と感じました。

音から見た目から、非常に洗練されています。
客席がすり鉢状のホールで撮られたであろうMVは、ライブパフォーマンス風に出来上がっています。
4k画質は綺麗めなビジュアルに良く合い、メロディーの最高音は「レ」だと思います。
サビで3回くらい通過しますが、「僕らが広げたダイヤの翼」という最後の決めのフレーズの時だけファルセットになるという出し方が凄く良いです。

初見のライブの中身へと入っていきます。
てっきりダイヤの翼の衣装かと構えていたら、違いました。

空色で明るいチェック柄のこの衣装は、「真夏の空とキミ」という曲のものでした。
どうもここ最近のかめリリは、この2つあるいは「イチコイ」という曲の衣装との3つを回しているようです。

品川インターシティーホールはグループにとって初めての場所だったそうですが、そうは思えないほどホールとの相性が良く感じました。

例えば「ダイヤの翼」のサビ前のフレーズ。

「夕焼けを背に浴びながら」

MV撮影の時から動きが変わっていないのであれば、佐伯鈴さん、きよりんさん、辻菜月さんが歌いながら前列の清藤恵さん、有川奏絵さんと入れ替わるように前に出てくるはずです。
上手側では前に出てくるメンバーを後押しするようにオレンジ色の照明があ当たり、見事に歌詞の情景が再現されていました。

どの曲かはわすれましたが、ソロを歌うメンバーの真上から水色の照明と一緒にスモークが下りてくるところも素晴らしかったです。

あまりビジュアルのことを取り上げすぎるのもどうかなとは思うのですが、触れずにいられないのが有川奏絵さん。
落ちサビを歌う姿はただひたすらに美しかったです。

こうした立ち姿と会場の演出とがマッチしたのも、単に偶然が重なったというわけではなく、メンバーの意のままにという感じがしました。

印象的だったのが、最初座っていた人が、メンバーの煽りに合わせて一人二人と立ち上がっていました。
置かれた椅子に一旦腰かけてしまうと、なかなか腰が重く立つのもめんどくさくなってしまうものです。
ステージとフロアとの距離もあるので、座っておとなしく見ていてもアイドルからは分からないでしょう。
ノッてないことへの罪悪感もありません。
そんな人たちの腰を浮かせるくらい、ライブが熱かったということです。

メインで歌うことの多い清藤さんはけっこう声の輪郭がはっきりしていて、伴奏よりもマイク音声を強めに響かせていた音響によって一層聴こえてきていました。
遠いけれどもすぐそこにあるような、生もの感がありました。

数週間前、まだ「ガルガル」の詳細が公式に発表されていないときから、4/24のかめリリのスケジュールには、動員が「超」重要なライブに出演するというお知らせが書かれていました。

来場者のうち、どれほどの人がそのグループを目当てに来たのか。
動員重要とはたびたび聞きますが、超だなんてなかなか耳にしません。
それくらいこの日のガルガルは大切なイベントだったのでしょう。
きよりんさんは、死ぬほど出たかったイベントだといいます。

数十組が出演するものの、ガルガルのメンツは大抵固定されています。
開催頻度の高さもあり、マンネリ化している部分があるのかもしれません。
ここに、かめリリが風穴を開けました。
超重要としているだけあり、この日の特典会は(いつもがどうかは分かりませんが)人も多く、そのおかげか次回ガルガルへの出演も決まったそうです。

これを足がかりに、いずれはガルガルの常連、果ては後半に。
そんな予感を感じさせるステージでした。

◆群青の世界

衣装は最近新調された、半袖の夏仕様です。
村崎さんが珍しくポニテにしたり工藤さんが後ろで結んだりと、メンバーの見た目は季節を大分先取りしたかのように涼し気でした。
ビジュアルだけでなく、セットリストも夏っぽいものでした。

◆セットリスト
1 コイントス
2 シンデレラエモーション
3 ロールプレイ
4 BLUE OVER
5 僕等のスーパーノヴァ

まず一曲目、メンバーが横一列でステージの奥に並び、フロアに背を向けました。
てっきりおなじみの「僕等のスーパーノヴァ」かなと思っていたのですが、予想は裏切られました。
流れてきたのは「コイントス」。

披露される回数は取り立てて多いほうではないそうですが、幸運にも僕が行ったライブでは4連続くらいで耳にしています。
「青く輝く空舞い上がる コイントス」
立てた親指を高々と真上に掲げていく振り付けは、天井が高いインターシティーホールだとどこまでも上に続いていくようで、格別に気持ちがいいです。
波の音がかすかに聴こえるアウトロの終わりかけ、メンバーが中央に集まるのと同時に、黄色味がかった照明の束が天井を伝って真ん中に寄ってきて綺麗にまとまりました。

夏曲は2曲目の「シンデレラエモーション」もでした。

3曲目は「ロールプレイ
与えられた役割を演じるのはもう嫌だ、主役は僕なんだという主張がこの曲のテーマです。
サビで、何かを捨てるように手を振り出すシーンがあります。
ここにはしばりつけるものからの開放、決別の意が込められているはずです。

「カッコつけたくなるんだよね」(村崎さん談)
この曲では自らの中二病が押さえられないのだと、村崎ゆうなさんが教えてくれました。

これを聞いて納得したシーンがあります。
サビのラスト「誰かを演じてる偽りロールプレイ」という歌詞で、両サイドで2ペアが立ち位置を入れ替わったり大きな動きをする中で、センターにどっしりと位置するのが村崎さんです。

足をなげだし、髪を耳にかけた仕草をする村崎さんの姿は絵になっているのですが、とりわけ表情が良いのです。
口を開けたまま顔には笑みを浮かべています。
独特な表情だなと思っていたのですが、先の言葉を踏まえるとかなり意識して「カッコつけた」ということなのでしょう。

4曲目「BLUE OVER

「見えないルールがあるように あの子にだれも触れない 伝えない」
最上手に立つ横田ふみかさんのソロです。
緑に黒がまざった照明が、横田さんの姿を覆い隠していました。

「本当にズルいもの抱きしめられずに」

2番サビで下手側から歩きながらやってくる水野さんの歌声が、いままで聴いたなかでも一番といっていいほど出ていました。

ボーカルの根っこである工藤みかさんの歌声は、序盤あまりPAとの相性が良くなさそうに聴こえたのですが、後半「BLUE OVER」と「僕等のスーパーノヴァ」では反響するホールにテンションが上がったようでしたし、出方も非常に良かったです。

2サビでは本当にステージギリギリ前まで来ながら最前列の方とコミュニケーションを取っていました。
「BLUE OVER」あたりから、ハウリングしたような音が聴こえる場面が何度かありました。
これも高すぎたテンションで生まれてしまったような、一つの演出のような気すらしてきます。
音量が出すぎてマイクでは拾い切れずはみ出してしまったことでハウリングが起きたのだとすると、やはり工藤さんの歌声は随一です。

そしてこのチェキです。

画像2

確かに響きわたっていました。


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