【ライブレポ】8/16 綺星★フィオレナード 「突発スタフィオ東京定期公演」
8月16日(月)夜に開催された、7人組アイドルグループ・綺星★フィオレナード(以下スタフィオ)のライブに行ってきました。
このライブ、開催が発表されたのは前日の昼頃でした。
あらかじめ、この日都内で何かしらのイベント開催がほのめかされていたのかどうかは確認できませんでしたが、公演タイトル通り「突発的」な開催です。
会場は渋谷TAKE OFF7。
入場時、少しだけ他にない特殊?な体験をしたのでここに残しておきます。
地下一階への階段を降りて受付に向かい、スマホに表示した入場用QRコードの読み取りとワンドリンク分の支払いを済ませました。
ここまでは通常のライブハウスの流れだったのですが、ドリンクチケットと一緒に公演タイトルが書かれたチケットを貰いました。
今はこのご時世ということもあり、チケットのもぎりは非接触化が進んでおり、紙のチケットはかなり端に追いやられています。
僕が知っている中でも、コロナ禍をきっかけにQRコード読み取りに切り替わった会場は複数見てきました。
もぎった残りの半券よろしく紙のチケットをおみやげに貰えるというのなんてもう少なくなっていくでしょう。
紙のチケットとは、ライブに行ったことを形に残す証明書でもあり、なかなか貴重です。
ライブ本編に入ります。
この日のライブで披露されたのは6曲。
まず、サビで前傾姿勢をとり手を前に伸ばしていく姿がドラマティックな「La mia adolescenza.」に始まり、「Eterna⁂Tenere」「:Dum spiro spero」「ti amo tanto...」を経て、最後2曲は「aile←Ave;nir」「Shu★parklinG!!×Ⅱ」という、ラストにかけて尻上がりに盛り上がりを見せるような曲の構成でした。
ひと月前、東京アイドル劇場で観たときメンバーは、それぞれのメンバーカラーが明るく全体に配色されたカラフルな新衣装を着ていたのですが、これは7月末に開催された大型アイドルフェス「関ケ原唄姫合戦 2021」を境にまた別の衣装へと切り替わりました。
全体にメンバーカラーがちりばめられているという点では前衣装と共通でしたが、新しいデザインで目を引くのは肩口のあたりからたすきのように深い青色の生地です。
青地の上には、グループのモチーフである綺羅星や三日月の模様があしらわれており、まとまりとしてて見ると宇宙の縮図のようにも思えてきます。
よく見てみると衣装からはさらに、短冊状にグループ名「綺星★フィオレナード」の文字が名札のように伸びていました。
上に貼った、新衣装での集合画像を見た感じでは、前衣装のおもちゃ箱の中身のような華やかな感じとはまた違った賑やかさを感じていましたが、この日、ステージを近い距離からまじまじと見るとそれはより顕著でした。
この日は矢羽根かこさんが不在で、6人でのパフォーマンスでしたが、メンバーのパフォーマンスはキラキラを全体にまき散らすようでした。
それをもたらしていたものの一つが、二重三重もの広がりを見せるメンバーの歌声ではなかったかと思います。
フロアは一瞬のうちにメンバーの歌声で埋め尽くされ、増幅していく歌声によってリラックスする空間が作り上げられました。
ここからは各メンバーについて書いてみます。
末永香乃さんは、歌う姿勢を一目見ればもう忘れません。
いわば末永流。それくらい個性的です。
マイクの先端を上げて顔とマイクが被るような持ち方をし、体勢は前かがみになって胸のあたりに手を置きながら歌います。
足は大きめに開き、ステージを踏みしめ続けています。
気持ちを押し込めるような歌い方で、そこに込められるメッセージはしっかりとこちらに届いてくるようでした。
ある曲で落ちサビを歌う直前、意味ありげに笑みを見せていたのも印象的でした。
辻彩花さんの歌声は、低音が抜き出ています。
身体は高いほうではないと思うのですが、高くないからこそ動きの大きさは際立ち、「:Dum spiro spero」だったか、首を大きく切り返し、長い黒髪が揺れて少し汗ばんだ顔に触れたシーンは非常によくできていると思うほど綺麗でした。
冨田菜緒さんは、顔だちがはっきりしていることもあり、歌っていないときでも斜め上を見上げるシーンでその顔は映えていました。
ところで冨田さんは、ライブ後にツイッターでこう振り返っていました。
「何だこれ」と。
この日の冨田さんの歌声を聴くに、非常に落ち着きを感じ、自然とそこにあるかのような安心感をも覚えたのですが、本人としては違和感があったそうです。
このツイートの中身は、まだまだという自戒的な意味なのか、違和感の中に意図せず手ごたえを覚えた戸惑いなのか、どちらなのでしょうか。
ところで、あえて言及する必要はないかと思ったのですが、冨田さんのツイートを引いた流れで書くと、スタフィオはコロナの影響で直近2週間近くのライブをお休みしており、この日はいわゆる復帰戦でした。
したがって、冨田さんの「久しぶり」のツイートには実に2週間もの空白が含まれています。
ともすると毎日のように公演があるようなライブアイドルの世界で、2週間というのは長すぎるブランクですが、この日のメンバーからは久々のライブに対する喜びも読み取れたような気がしました。
橘すずさんの、高音で語尾が上ずる感じは、ライブは生ものであるという実感を与えてくれます。
その一方で、「ti amo tanto...」にて下手側で歌うソロパートでは声色が変わって低音域が響いており、両方に振れる落差の大きさを感じます。
この曲、落ちサビに入ると、橘さんから末永さんへのソロとなるのですが、橘さんは歌い終わり、あくまで顔を締めたままふっと目線を切っていました。
やりきったという顔をしても良さそうですが、曲の雰囲気を保ち、末永さんへのたすきを繋ぐという意図を感じます。
世良明梨さんは、前回も書いたことですが、振り付けなどの動作が忙しいスタフィオの曲にあってどこか落ち着いてゆったりと構えている、そういう雰囲気があります。
鷹揚という言葉を当てはめてみるとぴたりと合うような気がします。
また次に書く木咲さんしかり、世良さんはフロア狭しと隅々まで積極的に目線を送っており、しかも正面からしっかりと見てくるところが印象的でした。
この日はフロアの端っこからおとなしくライブを観ていたのですが、歌声に息が多く混じっている木咲りんさんは、そんな位置に対しても目線を送ってくるような気がしました。
あまりに端っこだったため、メンバーが横一列に広がるフォーメーションを取った時に下手側のメンバーがアンプと被ってしまって見えなかったりもしたのですが、木咲さんの目線はそんな「死角」からでも感じました。
前回スタフィオを観たときは、初披露されたばかりの新曲「:Dum spiro spero」の衝撃がしびれるような感触となって残っていました。
◇:Dum spiro spero
あれから、YouTubeに上がっているライブ映像を何度となく観ましたが、この日3曲目で改めて聴いたときも期待値に違わずでした。
しかし、この日それ以上に印象的だったのは4曲目の「ti amo tanto...」。
逆扇形のフォーメーションをとって、手を降りおろすとき、それぞれのメンバーでの動きの微妙な違いがありました。
誰がどんな動きを見せていたのか、記憶はすっかり薄れてしまっているのですが、伸ばす角度や手首の曲げ方などだったかと思います。
統率がとれたパフォーマンスというのも、人数の多いグループでは魅力なのですが、このようなそれぞれの個性というのも一つのエッセンスになります。
尻切れトンボのようになってしまって恐縮ですが、今回のレポはここまでとし、残りは次回フルメンバーのスタフィオを観るまでの期待として取っておこうと思います。
見出し画像:綺星★フィオレナード公式ツイッターアカウント(@StarFioreNerd)画像を改変