夢に突っ走っていた僕の「助監督、回顧録」
過去の自分の、その時、その作品に、携わった時のコトを、
思いつくままランダムに振り返っていきます。
No.1・初体験
「夕ぐれ族」(にっかつ・1984)
監督:曽根中生 脚本:佐伯俊道
出演:春やすこ 松本ちえこ
27才。
僕が初めて、カチンコ打てると偽って(でないと雇ってもらえない)、
助監督の応援として、3泊の4日間、駆り出された初めての仕事です。
で、3泊4日というのは、そうなってしまったんです。
日々、遅くなるとは、思っていたものの、
まさか、初っ端から3日間も泊まりになるとは思ってもいませんでした。
事前に、
「ハード、キツイ、寝れないぞ、怒られる、徹夜は当たり前!」
と聞いていたものの、まさかのまさかでした。
心が叫ぶ。
「あーぁ、こんなもんなんだ!でも、やっと、助監督になれたんだー!
そやけど、これが、ずーっと続くんかいなー・・・」
と思いつつ、
撮影中、倒れた男のスタンドイン(ライティングのため俳優さんに替わってその場所に立つこと)をしているうちに、眼はスーッと閉じてしまった。
「オイ、コラッ!!寝るな!」と怒鳴り声。
完徹じゃないにしても、1日、2、3時間、寝れるか、寝れないかだった、
僕には、「初仕事なんだ、頑張らねば」なんだろうが、睡魔には勝てない。
ジッとした途端、自然に瞼が落ちた。
何も考えてない状態だ。
ただ、この時は、新人で、しかも、応援だったので、
周りのスタッフは緩めに対応していたと思う。
本来なら、助監督は脚本を熟読し、
監督はじめ各パートと連携して現場をスムーズに進行させる重要なパートなので、
たとえ、睡眠不足だろうが寝るなんてもってのほかだろう。
「オイ、コラッ!!寝るな!」の一声だけ!
ということは、多めに見てもらっていたんだろう。
と、想像がつく。
熟練の助監督なら応援といえどもスマートに難なく仕事を熟すだろうな。
フリーの助監督になりたいために、
企業PR制作会社を計画通り3年間勤めて、
次のステップ、助監督に挑んだんだからヘコタレてはいられない。
有名監督になるんだ!と奮い立たせたモノだった。
その頃は・・・、
1、やれば出来る!
2、怒られて何ボだ!
ということを肝に銘じて走っていました。
振り返れば、作品内容はなんにも覚えてません。
すみません。
ただ、ただ、
初っ端から3泊4日の”にっかつ撮影所”暮らし、
「夕ぐれ族」のタイトルを見ると、
この事だけが鮮明に思い出します。
最後に、このキッカケを作ってくれたのは、
企業PR制作会社で知り合った、
にっかつ(映画会社)に出入りしていた、
照明技師のSさんです。
「Sさん、ありがとうございました」
一度、ドラマでご一緒、出来たらいいのになぁ、と思いながらも実現に至りませんでした。
残念です。
この文は、今現在、記憶に残ってることを書き記したものです。
使っていたカチンコ
「こん時の教訓」
1、やれば出来る!
2、怒られて何ボだ!
いかがでしたか。
しばらく、僕の「助監督、回顧録」を綴っていきます。
よろしくお願いします。
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