詩「オレンジの片割れ」
狂気と火遊びする日々は終わりだと
諦めているあなた
俺たちに明日は無かったんじゃなかったの?
毎日、毎日6時に起きて、
あの満員電車に乗りたいの?
私はね、
自分がだんだん綺麗になっていくのがわかる
お花がパッと開くみたいに
朝 鏡を見るのが好きになってきた
なのにあなたは、
また疲れた顔で肩を落として
どうしてなの?
馬鹿みたいにどうして
あなたはわからないの?
私たちに明日なんていらないのに
踊るように愛して
もっと
テキーラより刺激的に
私の髪を撫でていたあなたはどこ?
私たちにはなにもいらないじゃないの
何もなかった頃の私たちは
誰よりもかわいかったじゃないの
どうして私の美しさを捨てていくの?
あなたは馬鹿みたいにどうして
私の美しさを捨てていくの?
コーラの瓶に毎日花をさすだけで
生きていけた私たち
あの頃は若かったなんて
言わせないでほしいわ
あなたはあのとき、
世界で一番愛に溢れていた男だった
疲れた顔で通勤電車に乗る人じゃなかった
私はね、高い化粧水もいらない
毎日 白い肌が水を弾いて
自分で驚いているところ
それなのにあなたは
鈍くなった感覚だけを
いつまでも捨てられなくて
私たちに未来なんていらないと約束したのに
どうして私の美しさを捨てていくの?
出会った頃よりも私輝いてる
ただの子どもだった私を
美しくしてくれたのは誰だったのか
わからないの?
馬鹿みたいに あなたは忘れてしまったの?
みんな私を欲しがってる
世界で最後の薔薇のように
あなただけよ
私を目の前にして居眠りしているのは
世間体や地位なんて
そっぽ向いて愛し合ってきたはずなのに
馬鹿みたいに あなただけ
どうしてこんなに綺麗な私を捨ててしまうの
(2018年に書いた詩。とある歌に影響を受けて書きました。)