愛鍵


今日は久々に鍵を使わなくていいらしい

この事実だけで
今日1日疲れた心が温まる



ただいまの声と同時に迎えの声が聞こえる


会いたかった、寒かった
お互いを抱きしめ、二人の時間が始まる

部屋に入るとこれもまた久々に見た
先に置いてある鍵の隣に並べて置く

この場景も二人の時間が始まる合図になる


まずはこたつに入って暖まろう
そしてお互いの好きな物だけを入れた
食の偏った鍋を囲もう


最近お互い忙しくて大変だったね
友達とこんなことしたんだ

暫く会えなかった間での話したい出来事
いっぱい共有したくて


でも欲してたこの体温から離れたくなくて

なんだか凄く暑い
こたつの親切なのか
心の目交いからくる火照りなのか



いつもより少し早く感じる時計に
そろそろ布団に入りなさいと注意を受ける

2人して、少し逆らってやろうと外へ

なんだか
季節にも逆らった格好で出てきてしまった

鼻歌の伝染も歌い始めもバッチリなのに
星の見える見えないは
戻るまで論争が続いた


寒い寒いと押し合って抱き合って、なんとか、




一見なんの刺激もないような日常の一瞬を
くすぐったさと落ち着きをくれる存在と

暖かくそれぞれの明日を迎えられそうだ

冬仕様に変えた心地いい布団の中で、


並べられて置かれた鍵は
一旦それぞれの生活に戻るけれど
限られた時間で
少しずつ更新される不確定な何かが、
気持ち も 鍵 も お揃い にしてくれるのだろう



ごめん、我慢出来ずに会いに来ちゃった
                     🗝🗝 また二人の時間が始まった


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