修練

沈みたがっている左腕を愛しながら
体幹を総動員
無能な瞼を愛しながら
顔をうずくめる
一切の光から隔絶する
尖った鼻も傾慕することを忘れずに
横隔膜が上下する
まるでシリンダー錠
シアラインは揃わないけれど

エレベーターに潜り込んだ
監視カメラから目を逸らす
外は暗い気がする

急降下
天井に身体が張り付く
急停止
床に胴体がめり込む
動けない

ドアが開く
外は予想通り暗い
一面に闇が広がっている
無限に続いている空間

ドアが閉まる
まって!
もっと外を見せて!
エレベーターは再び急降下

総ては仮説
偏執を排斥
外は内
黒は透明
闇は永劫
無限は有限
原点は自我
気付くまで
何度でも

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