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第5回「看護覚え書」のおぼえがき
私は障害のある方が利用するグループホーム(以下GH)に勤務しています。そこで行ったGH内研修での記録です。今回は3章の小管理を読んだ感想をメインに書きます。
この3章はGHの施設長(独立型社会福祉士も生業としている)が、看護覚え書をソーシャルワーク的に考えたきっかけになった章であるとのことでした。ソーシャルワークとは、ごく簡単に言うと生活と環境に働きかけてその人らしい生活をするための支援をすることです。
たったひとつのことが欠けているだけで、すべてが台無しになったり、逆効果になったりする。その欠けを生じさせないためにはどうしたらよいのかを学んでいきたいと思います。
3.小管理
小管理とは
「あなたがそこにいるとき自分がすることを、あなたがそこにいないときにも行われるように対処する方法」と著者は言います。どんなに良い看護を十分に行ったとしても小管理ができていないというだけで、患者の生命力の消耗を引き起こすためこれが重要。
この小管理というのは施設長が日々口にし、実践していることだと感じました。わがGHでも随分と、ここで言うような小管理はしてきています。一例を挙げると、Aさんが夏に夜明けと同時くらいの時間に、散歩に出たいと言ったことがありました。夜明けの新鮮な空気を吸いながらの散歩は気持ちがいいことでしょう。どうしたらそれを実現できるか考えました。Aさんには早朝散歩に出る場合の危険性についても説明した上で誓約書を書いてもらい、外出の際の手順を決めて、GHの玄関の鍵をお渡ししました。そうすることで、Aさんのやりたいと思うことを制限せず(ナイチンゲールの言い方で言えば生命力の消耗をさせず)に済みました。その他にも、日勤者がGHから外出し、GH内に職員が不在になってしまう日には、あらかじめ玄関の鍵を利用者に渡しておくことなども小管理の一つでしょう。職員がいなくても、GHでの生活を利用者が問題なく送ることができているということ自体もすべて小管理の積み重ねによるものです。
小管理とは「あなたがそこにいるとき自分がすることを、あなたがそこにいないときにも行われるように対処する方法」なので、患者(Ghでは利用者)のためになることでもありますが、裏を返せば働く者をしっかり守る考え方だと思います。福祉の世界で働く人は今でも、自己犠牲を払ってしまうことが多い世界だと私は思っています。なぜなら、それは人との信頼関係を構築することが重要な意味の仕事でありすべてを合理的に済ますことが特に難しい仕事だからだと思います。
しかし可能な限り、合理的に済ませることが可能なことはその仕組みを構築しておくことで、休みの日に仕事の心配をすることや、貴重な自分の時間、物、お金などを犠牲にすることなく済むこともたくさんあるはずです。
利用者が生命力を消耗させず、働く自分自身も生命力を消耗させないためにはどうしたらよいか小管理するということに挑戦してみ利用者も住みやすく職員も働きやすい良い職場になっていくと思います。
ここまでよんでくださりありがとうございます。次回は4章 物音 について書いてみます。