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恐怖の先にある絶景:絶叫吊り橋「風天」③完結編
二巡目スタート!
さて、二巡目であるが、ITEM1は小走りで駆け抜けることができた。
短時間で成長している、ということに、自分でビックリした。
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問題の、板がなくワイヤーのバッテン上を行くITEM4であるが、先に行く相棒が、渡ってみたら怖くないよ、というので、恐る恐るバッテンの上に足を乗せてみた。
おや?しっかりしている。グラグラしない。
なるほど、ワイヤーの上を歩くのは、案外大丈夫だ!
それでも足がワイヤーから外れないように全集中で渡り切った。もちろん、一瞬たりとも手すりがわりのワイヤーから手を離せない。
歯を食いしばって渡り切ると、手がジンジンした。これ、滑り止め付きの軍手が必要だね。
恐怖の先で待っていたのは・・・
待っていてくれた相棒が、ここからの景色、すごいよ、と相模湖の方へ手招きする。
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後から思い出したが、それぞれの塔はフォトスポットになっていて、最初の説明の時にもらうQRコードを、各塔に設置されている機械に読み込ませると、絶景を背景に撮影できるらしい。
第弍ノ塔ではパディントンベアと一緒に写真が撮れるのだ。
あまりにも必死すぎてそのことを忘れていた。写真、買って帰ればよかったなあ。
各塔では、先にフックがついたワイヤーが一本ぶら下がっていて、それに2本のハーネスをひっかけて、できるだけ端までいくことができる。私はハーネスをフックにひっかけた後、恐る恐る、カラフルな半円形のオブジェに腰を下ろした。
ざあっと視界が広がり、風になって遠くまで飛んでいくような錯覚を覚えた。
そこから見える景色は、これまでみたことのない絶景であった。
さえぎるものがなく広々と相模湖を見渡すことができる。湖を緑がぐるりと囲み、その向こうに遠くの山々がレイヤーのようなシルエットになっている。
投げ出した足の下は何もない。地面ははるか下にあり、心臓をギュッと掴まれたようにドキドキする。
でもなんという景色!
これは、あれだね、ナウシカのメーヴェから見る風景だね。
怖さを乗り越えて見る風景の圧倒的なことと言ったら。
諦めないで進んでよかったなあ。
最難関、ITEM5
相棒は、例のどうやって渡るのか謎だったトランプマークの枠をくぐりながら行くITEM5へと進んでいた。
どうやってわたるのかな、と見ていたら、足を横向きにして3本のワイヤーのうちの2本に足をかけて渡っている。ワイヤーがしっかりしているから、どれかに足が掛かっていれば大丈夫らしい。
しかし、トランプマークの枠のところで相棒は、うわっ、これ難易度高いぞ、と叫んだ。
みていると、相棒は枠のところでハーネスを1つ外し、進行方向のワイヤーに引っかけ直していた。
え?
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相棒は2本目のハーネスを進行方向のワイヤーに引っかけ直し、枠に身体を預けて景色を堪能しているようだった。
無理!
私には絶対無理だ。
手すりがわりのワイヤーから一瞬たりとも手を離せなかった。
それを、ハーネスを片手で引っかけ直しながら進むなんて無理だ。
相棒が目指す第参ノ塔には、天空に飛び出していくようなブランコみたいなのがある。
心惹かれたが、私は早々に諦めて、神殿を目指すことにした。
ITEM6で感じた手ごたえ
さて、第弐の塔から神殿に向かうITEM6だが、ほぼワイヤー部分のみを歩いてゆくのである。
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私は試しに一本だけを踏みながら渡ってみた。まさに綱渡りである。
お?いけるぞ!
これが行けるなら、もしかしたらITEM5もいけるかも?
神殿に到着し、第参ノ塔からの絶景を楽しんでいるらしい相棒を見て、決心した。
よし、もう一巡しよう。
私はどうやら、初級風天コース、中級風天コースと、順番通りにレベルアップをしていたようである。
このアトラクションがすごいなあ、と思うのは、コースレベルを上げていくことで、着実に経験値が上がり、できることが増えていく点だ。
こんなに短時間に自分の成長を実感できることって、そうそうないぞ。
もはや、ハーネスの着脱も1秒とかからない。
スタート地点に戻った私は、絶景を満喫して戻ってきた相棒に、こう言った。
「もう一回いこう!」
相棒は嬉しそうにうなづいて、「そう言おうと思ってた!」と言った。
ハイタッチをして、いよいよ、我々は最終ラウンド、絶叫風天コースを目指すことにした。
最終ラウンド、絶叫風天コース
慣れたITEM1とITEM4は、文字通り駆け足で渡ることができた。
これって、すごいな、と自分でも感心する成長ぶりである。
我ながら忍者のようである。
さあ、いよいよ最難関のITEM5である。
ちょっと緩めに張られたワイヤーを踏みながら進むのだが、2本同時に踏まなくても渡れることがわかっていたので、枠のところまでは割と簡単に進んだ。
問題は2つのハーネスを掛け直すところである。
これがめっちゃ怖かった。
片手で手すりがわりのワイヤーをがっつり掴み、枠のところに少し体重を預けて、もう一方の手でハーネスを進行方向に掛け直す。
ハーネスをかけ直そうと重心が移動するたびにグラグラと揺れる。
あまりの怖さに、顔が硬直し、景色を楽しむどころではなかった。
先に第参ノ塔で待つ相棒の方を見ると、相模湖の方を指さして景色を見ろ、というジェスチャーをしている。
え?絶対無理。少しでも足元から視線を外したら、間違いなくズルっといくよ。
しかも、枠は後残り7つもある。
自分のレベルが上がったと思ったのは慢心であったな、と私は深く後悔しつつ、硬直した顔のまま、苦行のように残り7つの枠を潜り抜けた。
ニコニコしながら第参ノ塔で待つ相棒は、「枠のところからの景色、絶景だったでしょ?」という。
この人には顔面蒼白でガチガチに硬直してロボットみたいになっている私の姿が見えていないようだ。
歯を食いしばりすぎて、口がイー😬の形のまま固まっている。ワイヤーを握りしめてすぎて、手がパーの形に開かない。
でもどうやら、一番難しいところはクリアしたようだった。
相棒は、「そこのブランコ、めっちゃ怖いけど、すごい絶景だよ」と、塔から飛び出すように設けられたブランコ型の椅子を指差した。
そして天空のブランコへ
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なにこれ。
正気の沙汰じゃないぞ!
でも座ってみたい!
ブランコ用に用意された一本のワイヤーにハーネスを引っかけて、恐る恐る空中に飛び出したブランコに座ってみた。
胃がギュッと縮んで、心臓もギャッと言ったようだった。
身体を風がヒューっと通り抜けるような感覚だった。
すごい景色。
怖い怖い!でも絶景!
自分の身体だけ、はるか天空に取り残されているみたい。
心臓に悪いけど、これはまさに、恐怖を超えないと見られない絶景だ。
一つ一つレベルを上げて、諦めないでここまできてよかったなあ。
私は目をいっぱいに開いて、胸いっぱいに空気を吸い込んで、この景色を身体全部で記憶しようと思った。
ぐらり
ちょっとブランコが揺れた。
「ひー!」
私はそそくさとブランコから降りた。
ちょっとグラグラ揺れるところも設計者の計算なのだろうか。
ゴール
第参ノ塔からゴールへ至るITEM9は、ITEM5を渡り切った我々の敵ではなかった。少し距離が長いくらいで、ほぼ小走りで駆け抜けることができた。
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ゴールした時の達成感ったらないね。
三巡して、ほぼ1時間くらいの所用時間だった。
こんなに全身全霊で集中することって、なかなかない。
怖さとセットになった、あんなすごい景色、みたことない。
初めて尽くしで強烈な体験だったけど、一か月に一回くらい、ここに通いたいなと思った。
知らない自分の身体能力が目覚めていく感じを、また味わってみたいと思うのだ。
まとめ
①滑らない靴は必須!
滑り止め付き軍手はあったほうが良い(レンタルできる)。
股下にハーネスを通すので、動きやすい服装がいいね。
②最初は怖くても大丈夫!初級コースから順番に進んでいくと、絶叫コースに進む頃には忍者みたいになれるよ!
③怖さの先にある絶景はすごい体験だった。そこに至るまでが大変だけど、チャレンジする価値あり!
④カメラ持ち込み禁止だから、絶景を持ち帰りたい場合は、忘れずに各塔でQRコード撮影を試みるべし!
⑤(おまけ)併設の温泉施設「うるり」について。
昼間は身体をいっぱい使って、夜は寒い中イルミネーション見物をした後だったから、熱々温泉は最高だったね。
イルミネーションを見てから夜8時くらいに「うるり」に入ったけど、その日の閉館は夜9時だったから、温泉を全部満喫するには時間が足りなかった。閉館時間をチェックしてからその日の時間配分をするといいね。
ゆるり、の受付で駐車券を出すと、駐車場代が無料になるよ。いいサービス!
園内には桜の木がたくさんあったから、桜の咲く季節にまた行ってみたいと思う。
おわり