プルドポークを作る
肉が食べたかった
とにかく肉が食べたかった。直近で言えば4日ほど前には焼肉を食べたのだが、それでも食べたくなったのだ。
その日の午前、仕事で特殊な案件をひと段落させた喜びといっときの興奮状態が、僕を極端な肉食へと変貌させた。
肉の調理に関しては、大概が焼くもしくは煮るの2択だが、今回は煮る気分だった。そうなると、選択肢は煮て食べると美味しいものになる。その答えは角煮かスペアリブになるだろう。(牛すじは主役を張れないのでパス)(牛スネ肉とかは味の割に高いから買いません)
バラ肉の角煮とスペアリブの煮込み、どちらにしても、ちょうど良い肉が安売りしてない限りは作れない。100g248円の高級バラ肉は要らない。できれば100円切り、一歩譲っても128円まで。それくらいの値段でなくては、豪快に食べられない。
期待に胸を躍らせつつ、深夜に24時間営業の大型スーパーへ向かった。
深夜のスーパー
肉コーナーに向かうと、お目当てのものがあった。豚バラ肉100グラム128円。これだ、これで角煮をつくろう。
そう思って脂身の量を確認するためにコーナー一帯を見渡すと、さらにその隣に見つけてしまった。
豚肩ロース100グラム98円
自分の幸運に感謝しつつ、肩ロースを買い物かごに入れる。1つ2つ、気付けばすぐに1kg。
大量に作ると飽きてしまうことを最近のカレーラッシュで学んだため、今回は豚肩ロース1kgで妥協することにした。
気持ちは3kg買うつもりだったんだ。
顔も知らない生肉コーナーの担当に心の中で伝えつつ、感謝を胸にしてレジに向かった。
翌日、土曜出勤
土曜日にも例の特殊な案件があったために、出勤日となっていた。
全身に緊張感を張り巡らせつつも、周りの助けもあって無事に仕事をこなせた。
あともう少しで解放される。
そう思えば思うほど、肉への思いは強まった。
やりがいがあっても辛い仕事であれば、その分オフでは楽しく過ごしてやろうと思うものだ。
肉の調理で発散されるストレスは計り知れない。独身時代のあった料理をする男性には理解いただけるところかもしれない。
半ば案件から解放されつつあった僕の中では、肉を調理する意気込みは最高潮まで達していた。
プルドポークの作り方
参考にしたのはトップに出てきたこの記事だ。
非常に美味しそうな写真が載っている。
空腹の僕には正視できないほどの刺激の強さだ。
概ねレシピ通りに作成した。
①下味
肉を適当に切る。
どうせ繊維に沿ってちぎるので関係がないのでは?と思ったが、人のレシピにケチつけるのは僕の分際では大変おこがましいことなのでしない。
昔メキシカンチリを作るのにハマっていた時に誤って買ってしまった特大のチリパウダーを、惜しみ無く振りかける。ブラックペッパーと、パプリカパウダーもなぜか持っているためふりかける。
その後30分寝かせる
②表面に焼き色をつける
そのままである。油を鍋に敷いて肉を焼く。
火力の問題かわからないが、チリパウダーが大量に鍋にくっついた。(しかしこれは水を入れることで自然と剥がれた。焦げの味もしないので問題なかったようだ)
③煮込む
今回は圧力鍋を用いた。圧力鍋の摩訶不思議な力により煮込み時間は短縮されるはずである。
他の調味料を入れて、玉ねぎは繊維に直行するように薄切りにした。
煮込み時間は圧力鍋により、今回は30分に短縮した。
④pull
肉の塊を皿に移して、フォークでpullする。
圧力鍋の力により、肉は容易に繊維に沿って分かれてしまう。ああなんて気持ちが良いのか。もうゴールは目前である。
完成
プルドポークの完成である。
味は言わずもがな。ずば抜けて美味しい。
脂が甘くて美味しい。ラーメンでいうところの背脂の良さに似ている。
(もしかすると、煮込み時間を増やして脂をもっと抜くと、脂が苦手なひとでも、美味しく食べられるかもしれない)
ソースに関しては、煮汁を別で煮つめて塩胡椒したのち、バターを入れた。
何に対してもバターを入れる行為は、偏差値を犠牲にすることで確実な旨みを提供してくれる。
偏差値20を犠牲にしてバター20gをドン。
これで味は約束される。覚えておくと良い。
総括
・プルドポークは、角煮よりも肉の味が美味しく楽しめるのが良い。
・脂が抜けてコラーゲンだけになるまで、じっくり煮た方が万人受けしそう。別に今のままで100点なんだけど。
・フランスパンじゃなくてバーガー用のバンがあれば多分最高だろう。トマトとかの野菜と挟んでたっぷりソースをかけて。明らかに美味しいのが食べる前からわかってしまうので、検証の必要は一切ない。いきなり本番でいける。
・好みのスパイス類を足しても美味しいだろう。多分レシピ通りだと甘すぎると思われるので、コショウ増しでカドをたたせるとか。あるいは他の香りの強いものを入れるのは十分あり。
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