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グラッツェ!! フェデリコ・フェリーニ かれのビジョン・脳裏についての、幾つかの断片詩。|映画評論|

  1993年に心臓病で亡くなったイタリア・レベルでは無く20世紀を代表する世界的な映画監督フェデリコ・フェリーニ……………。

彼が遺していったものを、テクテクとチョコチョコと少しずつ拾っていきましょう……。

かつて世界的巨匠、日本の黒澤明監督はフェリーニを、こう評しました……。

フェデリコ・フェリーニ……彼は人間離れした記憶力と想像力の持ち主である……………と。

自分から見てみればイタリアの他の監督、ベルトリッチは何がやりたいのかわからない映画人、ビスコンティはイタリアの貴族がどれだけ偉いかを、ただ表現しただけの人………。
どれもイタリア・レベルで世界レベルではない!!

サーカス……目くるめく色彩と、絢爛な装飾の衣装、巨大な猛獣達の狂宴、摩訶不思議なおどけたPierrot達、特に子供時代のフェリーニは、映画|フェリーニのピエロ|で、伝説と呼ばれたピエロを探求し、そのオマージュに酔いしれます。ザックリ言ってしまえば、フェリーニの映画の大半は幼少時に見たサーカスへの憧れ,オマージュの影響度が、かなりに大,なのでしょう。

正直……今の世の中、フェリーニ映画をかなりな数を見るのは、ハッキリ言ってムリ!SNS上のメディアでも、その断片しか見ることは出来ないでしょう、なぜか、それは過去の巨匠なもので………老考古学者が古代遺跡から秘文書を発掘調査するが如く………ソレは無理なのかも……。それでも彼の遺していった映画はユーモア、下ネタ、笑いあり、イマジネーションでジェットコースターに乗って何処までも突き進む疾走感あり、見ててかなりオモシロイ……………

映画|フエリーニの道|で主人公の怪力芸人が怒りに任せて、以前からウザがってたサーカスの道化を誤って殺してしまうシーンは今思い出しても異様にリアルです。古い1950年代の映画とは思えないほどの、まるで現実の殺人現場を生で目撃してしまった様に………
フェリーニの時空を超えた凄い記憶力が、垣間見える瞬間の現場でしょう………

また……意外にも、フェリーニはローマ生まれローマ育ちのローマっ子。フェリーニは映画|
フェリーニのローマ|でローマという都市の古代ローマ帝国時代のローマの記憶を想い起こさせ……歴史を静かに……静かに……静かに……、写し……流し……我々の観衆の目の前に写し流していきます…。古代、中世、近世……庶民の生活そして現代の暴走族が夜に荒れる、今のローマ………それは美しくも綺羅びやかで、ユーモアもありで、静かにフェリーニはローマを描きます。

フェリーニ映画の|道|では、全てにおいて映画の完成度が伺われます……脚本の練り具合、完成度、登場人物達のやり取り、セリフ、醸し出す雰囲気、物語の展開、そして映画冒頭のフェリーニ映画特有の……幻想的な雰囲気……

また……映画|8 1/2|において、フェリーニは、これで映画は……終わった……と、とある評論家に言わしめるイマジネーションと完成度を見せます。……オープニングの主人公のマストロヤンニ演じるスランプに陥った映画監督が自動車の中から瞬間移動しフワフワと宙をさまよい大空へと舞い上がっていきます……フェリーニの幻想的で奔放な想像力は他に類を見ないほどです………。


映画の題名は忘れましたが、こんなシーンもありました。マストロヤンニがステッキを振るうと魔法使いのオジサンに変身し(ゲーテ,ファウストの悪魔メフィスト)若者を指導するシーン……、下ネタが入りますが、ストーリーのダイナミズムは留まるところを知らずに流れるように突き進みます………。


フェリーニは夢日記を書いていて、そこからまるで我々か現実に見る、あの悪夢を見て飛び起きて思い出す生なましい現実の夢のリアリティを映画に物凄くリアルに再現したりもします………もの凄い記憶力………。


そして、その想像力とユーモアとダイナミズムは、80年代末、映画|女の都|でピークに到達します……!!
電車の中の僅か一分間の居眠りの夢が、二時間以上の映画の物語になるというダイナミズム!
全世界フェミニズム決起集会からイキナリ話は始まり、フェミニンなオバサン達のがなり合いが記憶に残り………、巨大な巨城の中で様々な催し物、美貌の貴族令嬢の奇術……アソコの力で離れたコインを引き寄せる……古代中国の奇術だとか、不気味な日本の能面の目が光り舌で舐め上げてくるとか……映画最後のクライマックス!!巨大なオバサンの気球が巨城を引き上げながら大空へと舞いあがる………そして、それらは全てが夢だった……という、イワユル夢オチ、という結末で…………。


映画[甘い生活]では肉感的な女優さんに、セレブ層の退廃的な生活を演技させ、泉の前で気の抜けたアンニュイな踊りをダンスさせます…………儚い美しさ……………


私としてはこここら辺で詩の断片の朗読を、終わらせたいと………。

最後はフェリーニ映画の|フェリーニのピエロ|
のエンディング………一人のピエロが物寂しくフルートを吹きながら終わるセンチメントな結末で終わらしたいですね…………。

皆さんも、機会があったらフェリーニ映画、
見てみるといいかも?笑えるし、「映画」といういい夢が見れると思いますよ………駄作もあるけど…………

         
       チャオ!! 


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