作家の森村誠一氏は「写真俳句」の普及にも熱心だった。
作家の森村誠一氏が7月24日に亡くなられた
森村誠一氏は、小説家・作家・俳人。元ホテルマンでホテルを舞台とした「大都会」でデビュー。その後もホテルを舞台にしたミステリー作品を多く発表している。江戸川乱歩賞や日本推理作家協会賞など数々の推理小説の賞を受賞した。
1976年に出版された「人間の証明」は770万部の売上。この大ヒットは当時角川書店の角川春樹氏の出版と映画製作を連動させてキャンペーン化し相乗効果を狙った手法によるところも大きかった。
「読んでから見るか、見てから読むか」のキャッチフレーズは、読まない代わりに映画で見るという発想を変えた。原作を読み、映画も見てその違いを楽しむ方も多かった。こうした出版手法は、その後に影響を与える社会現象になる。
写真俳句の着想と森村誠一氏
森村誠一氏は俳人でもあった。そして折に触れカメラを構える写真好きでもあった。そうした氏の得意な2つ、写真と俳句で「写真俳句」、略して「写俳」と称して、多くの方に俳句の楽しみを伝える活動もなさっていた。
「写真俳句」は、自作の写真を元に撮影したときの感動を俳句にする、あるいは俳句をもとにる撮影するというもの。
そうした2つを組み合わせた「新たな俳句の作り方」である。写真と俳句を同時に鑑賞することで内容が深まる良さもある。
撮影するときはモチーフに対し、何らかの気持ちの傾倒があるので、確かに直に景に接して俳句にするより作りやすいと僕も思った。
普及のための「写真俳句連絡協議会」という団体も設立されていた。その
森村氏が名誉顧問を務めていた「写真俳句連絡協議会」のサイトには氏の言葉として以下のように記載されている。
「ルールがないのが写真俳句のルールのようなもの。写真俳句は生活の縮図ですから無季語でも構いません。写真に季語 を語らせてもけっこうです。句材をカメラで撮影し、後で俳句を作っても良いし、俳句が先にできて、それに合う写真を探してもいいんです。あなたも写真俳句の楽しさを知ってください」森村誠一
※タイトル画像はMarukimaruの自作ですが「しちゃうおじさん」プロデュースの「みんフォトプロジェクト」経由で自由にお使いいただけます。背景色のバリエーションも揃っています。その他にもMarukimaru作品が「みんフォトプロジェクト」にギャラリー展示されいます。
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