思春期限定バニラソルト事件

直木賞作家・米澤穂信の小説を原作とするアニメ・『小市民シリーズーHow to become Ordinaryー』

全巻既読で、今期のアニメ作品の中でも個人的に一番楽しみにしていた作品です。

米澤穂信さんの存在を知ったのは、京都アニメーションが手掛けたアニメ『氷菓』を視聴したのがきっかけ。原作小説の古典部シリーズを執筆しておられたのが、穂信さんでした。
それから後は、単行本、文庫本として出版された穂信さんの作品は、全作購読して読破してしまう程度には、米澤ミステリの虜になっております。

というわけで、1話は夜更かししてリアル・タイムで見ました!

…………双極性障害持ちは規則正しい生活が必須なんですよね。
まーた担当医との約束(とりあえず暗いうちは、夜は寝ること!!)を破っちゃいました。
まあ、とにかく見終わってすぐに睡眠薬飲んだんで、すぐ眠れるだろうからセーフ(それ以前にいろいろアウトなんだよなぁ)。

とりあえず、折角見立てホヤホヤなんで雑感だけ書き留めたい。

・背景がめっちゃ綺麗
・キャラクターデザインが好み
・オープニング映像の〝狐〟と〝狼〟が睦まじく(?)駆け合うシーンが暗示的で非常に良き
・小鳩くん可愛い
・小佐内さん可愛い
・堂島健吾がまんま堂島健吾で笑った
・吉口さんのキャラデザも表情も声も正直予想以上に良き
・携帯電話でのやり取りは、スマホ時代の今なら通話じゃなくて基本LINEだろうけれど、原作の『春期限定いちごタルト事件』が出た時期(2004年、創元推理文庫)を考えるとしゃーなしよね。推理の核心部分にも関わってくるし、ここは変えないで正解かも
・「こばと」くんのアクセントが、自分の脳内では「こ↑ば↓と」だったのに対し、作中では「こ↓ば↑と」くんなのがチョイと気になった。岐阜県が舞台なので、現地の一般的なアクセントが私の住む関西地域とは違うからかな

……などなどなど。

小市民シリーズを知らないひとには、これだけではピンと来ないかもですが、今回は雑記レベルにとどめておくので、こんなところで。

記事タイトル「思春期限定バニラソルト事件」は、さっきアニメを観終わってから、ふっと思いついた造語で、原作・アニメとは関係ありません。

「春期」からの「思春期」の連想は、まあ有りそうですが、「バニラソルト」って何だっけ?

何かこう、ぽんっ、とこの言葉が脳天からまろび出た。

ソフトクリームちゃうよな。
それならバニラソフトだし。

甘い香りを生み出すバニラと、ソルトはまあ、端的に云えば塩だよな。

甘味と塩味。

おお、ある意味、小市民シリーズのテーマに通底するといっても過言ではない(独断と偏見に基づく個人の感想です)組み合わせ。

こんな言葉をパッと思い浮かべられる俺って、無垢で天真爛漫な子どもか、声優の青山吉能並みに天才なのでは……?

などと思って「バニラソルト」でググッてみたら、ばっちり既成の単語として出て来ました。

バニラソルト』は、堀江由衣の9枚目のシングル2008年10月22日スターチャイルドから発売された。

(中略)

アニメOVAとらドラ!エンディングテーマ

フリー百科事典『Wikipedia』


昼ドラ系超弩級ラブコメとして名高い名作アニメ『とらドラ!』の1クール目のエンディング曲のタイトルじゃないですかぁ!!

天才的発想に基づく造語じゃなくて、偶然、過去の薄れ切った遠い記憶が呼び寄せられて現出しただけ!!

圧倒的浅薄っ・・!

勘違いおじさんっ・・!

お恥ずかしい。

でもまあ、『とらドラ!』見てた頃の甘酸っぱい記憶が呼び覚まされて軽い多幸感に浸れてるからいいか。

みのりん派でした。
16年近く前。
当時、私は大学1年生……。

時間が過ぎるのって、早いなあ。

そんなわけで、小鳩くんと小佐内さんの高校生活3年間も、原作の刊行ペースは置いておいて、本人たちの中では「あっ」という間に過ぎ去っていってしまったのだろう。

そんな彼らの淡くて甘くて苦くてしょっぱいけれども、やっぱり甘甘な日常を、余すところなく賞玩したい所存です。

今回のアニメは、原作の『春期限定いちごタルト事件』と『夏期限定トロピカルパフェ事件』の範囲を映像化するとのこと。

1話を見た限り、安心して完走できそうです。

あわよくば、『秋期限定――』以降も、いつか映像化される程度に人気を博してくれたら嬉しいなあ、といったところです。

日常ミステリ×青春モノ。
私の大好物です。

(了)



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