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Switchって、このためにあるんだ!と思った。

11月末から子鉄氏は 尖足という足の変形を整える手術のため入院しました。

11月29日に手術をし、アキレス腱を切って6センチ伸ばし、膝裏の腱と足底の腱も切って延しました。 
明らかに痛そうな内容ですが、子鉄と同じように麻痺のあるお子さんにとっては全く珍しくない症例と手術であり、また腱という器官は再生力が高いとのことで、術後も元の生活に戻れるそう。
術後の生活の質は明らかに上がるのでやることにしました。

全身麻酔から覚めた子鉄は錯乱状態となり、大声で「痛いよー」「おうちに帰る」と雄叫び、
酸素もモニターの電極も全て外してしまう。点滴まで抜きそうになったので、そこは看護師さんがぐるぐるに巻いて押さえ込んで阻止。

手術した先生一行が覗き込むと「来るな〜!殺人鬼〜!」と叫び出す。
術後の こういう錯乱状態はよくあるので、静かに見ていた先生方(…と自分。なんちゃって だけど医療者でよかった。こんなの見たら冷静にいられない) も さすがに「殺人鬼」呼ばわりされては………夜間眠るためにと とっておいた スペシャル痛み止め(ソセゴン)と鎮静剤を使いました。

痛み止めと鎮静剤がよーく効いたため、
その後5時間寝続けました。5時間寝続け…
精神的に かなり落ち着いた状態で目を覚ましました…そして、その第一声

「…ま……マリオ…」
ぼんやりした目でSwitchを求めてきました。

気持ちが紛れればと思い、試しに渡してみたところ…やり始めました。

手術が頑張れるようにと、入院の時に夫が買い与えた新しいソフト。

寝ているとやりにくいらしく、体を起こして欲しいというので 起こしました。
まだ痛みがあるだろうが、それを忘れてマリオに向かう子鉄。無心でやり続けました。
子鉄を心配して代わる代わる看護師さんや先生が様子を見にくるのですが、皆さま 子鉄が一心不乱にゲームをしているのをみて 安心して帰って行きます。 

薬の影響でまだモヤモヤ😶‍🌫️していますが、
しっかりと🎮は握っています

術後なので、なんとなく食べやすい、消化の良さそうなものが夕飯として提供されました。プリンや牛乳やケーキなど…もう食べられるのですね。
ベッドだと食べにくい、と 看護師さんに助けてもらいながら、車椅子に乗りました。

傍にはSwitchがあります。
今は一瞬でも離せません。


21時。病棟の消灯です。楽しい ゲーム?も終わりです。さあ、寝ましょう!とゲームを止めて、ベッドに横になり、数十分後


「この中が痒い」とギブスの中が痒くて大騒ぎです。痒いから…と派手に動かすと今度は傷口が痛みます。「うぁぁぁぁぁぁ!痒いー!痛いー!」


再び雄叫びです。

看護師さんが、心配して 痛み止めの薬を追加してくれましたが、泣き止みません。
またも、「痛いよー。おうちに帰りたいよー
」の繰り返しです。


さて。困りました。が、幸い子鉄は親が付き添っているため 個室です。

看護師さんにお願いして、

もう少し…いや、気の済むまで ゲームを延長してもらうことにしました。

そして、再びマリオを手にした子鉄。マリオをやったり、中断したりしながらも、無理に寝なくても良い、ゲームをしても良い。それだけで、 とても安心したようでした。

寝落ち状態でした…

朝までそんな感じでゲームをしたりやめたりしながら過ごしました。

子鉄の辛い状態を支えてくれた Switch。
いやぁ…すごい。薬。もう、薬なんだよ。薬と一緒の効果がある。なんなら薬を超えている。どうすることもできなかった私には魔法のアイテムにみえた。

ゲーム🎮って、使い方によっては やめられなくなってしまい、中毒のような状態になり、生活リズムを崩してしまったりと、良くない影響を及ぼすため、親としては おいそれと与えたくはないアイテムになっているのだけど、

辛い状況にある人間にとって、その辛い時間を忘れらるとしたら…
辛い状態って、病気とか怪我とかフィジカル的なものだけでなく、もちろんメンタル的な物も含めて。ゲームに救われたという人たちもたくさんいるのではないだろうか。ありがたいアイテムだ。

Switchはその後も子鉄の入院生活を支えてくれるアイテムとなっている。







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