餃子1日24個 #短編
今日は、仕事も空回り。
心がキュッとしたまま駅に向かう。
改札を通り、彼を探す。
着信が鳴る。急いで出る。
今どこ?
「エスカレーター上がったところ」
向こうにスマホで話しながら、こちらに来る彼が見える。迷わず駆け寄る。
彼に会えた瞬間、タガが外れたように涙が出た。
彼が慌てて訳をたずねるが、うまく説明できない。
彼は完全に、もらい事故。
鞄からクシャクシャのタオルを出して、私の顔をゴシゴシ拭いたのは、彼の優しさ…。
「何食べたい?」という彼に、ごめん本当に食欲なくて思いつかない。
「王将に行こう」
餃子の王将でメニューを眺める。
「餃子4人前と」 エ?
「天津炒飯大盛りと」 ハイ?
「あと、辛玉ラーメン大盛りとレバニラ炒めと、エビチリで」 オイオイ、チョットマテ。
そんなに食べられない。
「食べないとダメだよ」
いや、限度あるだろ。
「まず、食べよう」
餃子のタレに辣油を垂らし、熱々の餃子を浸して口の中に放り込む。
カリカリの皮を噛んだ瞬間、肉汁が飛び出す。
あっっつ!! 口の中で餃子を転がす。
熱い!美味しい!
レンゲで天津炒飯をすくい、口に流し込む。
炒飯と餡が合う! 白米もいいけど炒飯、正解。
王将のレバニラは、どうしてこんなに柔らかくて臭みがないんだろう。ニラの風味で元気出る。
エビチリの海老は表面がとてもキレイで、噛んだときに歯応えがプリプリ。ピリッとしたチリソースの辛さに、天津炒飯の餡の優しさが合う!
で、その後にパリパリの餃子。キリないじゃん。
2人で食べ切った。もう何も入らない。
上あご火傷したけど、満足。
ありがとう、なんか元気出た。
いつも助けてくれてありがとう。
ほんとありがとう。
「ミスド寄る?」
いや、限度あるだろ。