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〈俳句〉湯豆腐にするかと祖父の豆腐顔

私は「祖父」と縁が薄い。

父方の祖父は私が生まれるだいぶ前にとうに亡くなっていた。
顔は仏間の遺影でしか知らない。

母方の祖父は私が二十代の頃まで存命だった。

ある日、長く伏せっていた母方の祖父が亡くなったとの報が届く。
けれど、私はお葬式に行かなかった。
当時ひきこもり状態だった私は布団の中から父の「行ってくるから」という言葉に無言で返した。

母方の祖父の家とは車で一分くらいという超近距離。
子供の頃は盆と正月に通っていたが、生活がガタガタになるにつれて足が遠のいた。

今では母方の祖父の顔が思い出せない。

ということで、
提出句は妄想句です。

在り得たかもしれない、おじーちゃんとの湯豆腐。

おじーちゃん、豆腐好きだったのかな、嫌いだったのかな。




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