
【1分小説】13# 捨てられたガム :奇妙
「よし今日も拾うか」
…
「あーぁ、もったいない……」
「でも懐かしいな」
「あっ、こんなのも捨てられてる」
「まぁこれが私の楽しみなんだけど」
男性は何かを見ながらそう言った。
「ん?」
男性は、こちらに視線を向ける。
「あっこれはこれは…」
「見られてしまいましたか」
「これ…見た目はガムに見えますが」
「中身が違うんですよ」
そう言うと男性は悲しい顔をする。
「ガムの中身は捨てた人の流行」
「もったいないですよね」
「味がしなくなったら捨てるって」
「噛み続けたら違う味が待ってるかもしれないのに」
男性の顔は清々しくなった。
「楽なんでしょうね」
「新しい楽しみを見つけるのって」
「…」
「さて、あなたは眠りから覚めた方が良いですよ」
…
ピヨッピヨッ
「朝か」
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また次の作品であなたの時間が奪われぬよう、ご注意下さい。