
【1分小説】34# 罪と体 :奇妙
レポート
『この世界の謎』
《罪を犯した者に他者から与えられる罰は無い》
……。
「この世界で目を覚まし数日……」
「普通の街のはずだが、何か違和感を感じる」
部屋の椅子に座り一人呟く男性。
カチッ
ブォ
「ふぅ~」
男性は、たばこを吸い始める。
「この街には警察が居ない」
「コンビニやスーパーに監視カメラも無かった」
「だが万引きしようとする人も居ない」
「これが違和感の種…なのか…」
「いや、それ以外にも…」
ガタンッ
立ち上がり窓の外に目をやる。
「何故、この世界は成り立っているんだ……」
「ニュースでも見るか」
ピッ
「“今月の整形希望人数は過去最高記録となっております”」
……
「そういえば……」
「街で耳が長い人や手の短い人が居たよな…」
「っ!……まさか!」
「それこそが犯罪を法で裁かなくても良い理由…?」
「だとしたら!」
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