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大の里を誰が止めるか

中日終わったが大の里全勝。今場所は引かずに我慢して押しているのがいいのだろう。押し一本で大関というのも不安材料だが、ハワイ勢を思い起こす相撲がそれを打ち消してしまう。四つになるとイマイチだがどうなのか。稽古といっても師匠中心では限界がある。押しだけでは全盛期は短い。曙も武蔵丸も、四つである程度相撲が取れ、武蔵丸の場合右を差す相撲で横綱をつかんだ。

他の力士を見ると大関2人は目立たない。琴櫻も優勝して当然のような発言もあったが、序盤からこれでは厳しい。むかしからなまくらという言葉もあるが、押しも寄りもはっきりしないのではだめなのだ。

霧島の復活が目立つ。前に出るようになり翔猿も強引に極めて勝利。動きの切れも目立っている。一時の失速で引退近いかとも思われたが…

振り返ると優勝経験者も増えた。
照ノ富士・豊昇龍・阿炎・大の里・霧島・貴景勝・大栄翔・御嶽海・正代・若隆景・玉鷲・朝の山・尊富士の13人。

優勝経験者が十両でも取るようになり重みはなくなっている。さらに同点経験は隆の勝・北勝富士・高安、次点経験は熱海富士・妙義龍・碧山。

今場所番付上位の7人は全員優勝があり。稀勢の里があれほど優勝できなかったのがウソのように誰でも優勝の時代になった。

しかし大の里はまだ9場所。これで勝ち越しも連続し、このまま大関なれば初であろう。大正時代の栃木山が大関まで12場所負け越しなかった。以降も無敵の強さのまま引退した。しかし番付制度も異なる時代。比較に無理がある。年6場所制以降例がない。

昭和で見ると、武蔵山が大正15夏の序ノ口から昭和7春の大関まで21場所勝ち越し。ただ5分が1場所ある。羽黒山が昭和9夏の新序から昭和15春まで11場所。 大鵬も平幕と幕下で負け越しがあるのだ。

同じく幕下付け出しの輪島は十両1回、平幕で2回負け越し。大の里の快進撃に似る雅山は6場所目(平成11名)の2枚目で6勝、続く場所も7勝。以降は勝ち越しを続け三役3場所で34勝で大関。しかし早々に負け越し。嘘のように低空となり 1年で陥落した。

曙の初土俵から18場所連続勝ち越し、武蔵丸の50場所連続勝ち越しは知られるが曙は関脇小結で2度負け越している。これがなければ負け越し経験なしの大関であった。

武蔵丸は平成2秋の幕下11枚目での2勝が唯一の負け越し。黒星の相手は立洸、盛風、福ノ里、大鈴木、安芸の嶺。いずれものち十両経験があり、武蔵丸も幕下上位の厳しさを受けたといえる。

以降十両、幕内、大関と8~9勝もありながら勝ち越し続き。ただし平成11初は危機で序盤より不調。千秋楽7勝7敗で貴乃花を土俵際の突き落としで下し勝ち越した。この後2場所連続優勝で横綱。平成12初の休場でストップしている。それだけに幕下の負け越しは惜しいものであった。

幕内下位までは快進撃でも上位は全く違うといわれる。特に先場所は大の里も一時序盤負け越しがみえていた。大関はもう確実だろう。雅山という好例もあるが大関昇進後に失速しないにはもっと相撲の幅を広げることだ。


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