成長を待つ
茎ブロッコリーの種を蒔いたのは9月中旬。
3日程でぱっと発芽し、順調なスタートに気持ちはわくわくした。この勢いで育っていくことを予想した。
しかし、順調ではなかった。
発芽した苗に、ジョウロで優しく水やりをする。細い茎と双葉がふにゃ〜と土の方向へ曲がる。しばらく曲がったまま。少し持ち上がり、それでも横向き。かよわい状態が1週間以上続いた。起き上がる逞しさはなかった。
「なかなか大きくならない。本当に大丈夫だろうか?」不安な気持ちになる。そう言いたくなる。諦めの気持ちも出てきた次の日の朝、いきなりの変化に目が覚めるようだった、確かに双葉がしっかりしている。よーく見ると、苗の中では、本葉が出る準備が密かに進んでいた。
2日程で本葉が現れた。水やりをして、ふにゃーと垂れても、自分で起き上がる逞しさが出てきた。
購入したタネの袋にある「タネまき、育苗」の記述を一部引用する。
深さ5mm程のまき穴に、タネをまきます。
本葉が1〜2枚までに1本立ちにします。
当てはまる記述はこれだけだ。
本葉が出るまでの時間は長かった。
私はこの間、芽を見つめていた。
思考があれこれ変化した。
説明には書いてないが、「成長を待つ時間」があることが分かった。