第2回薬膳料理研究会
2月2日に、奈良の薬膳料理店「茉莉花 (ジャスミン)」で薬膳ランチをいただいてきました。
このお店は毎月テーマを変えて、それに沿った料理が提供されます。
2月の薬膳ランチのテーマは〈腎機能を養う〉でした。
お店からのメッセージは以下のとおり。
『中医学では冬は腎機能が弱まると言われています。体の表面が寒さ(寒邪)を受けやすくなり、手足が冷えたり血の巡りが滞り〈腎〉が消耗しやすくなるからです。そのため冬は〈腎に作用し腎を養う〉ミネラル分を含んた食材を補うのが中医学の基本です。』
〇料理の紹介
黒豆がとてもやわらかく、煮汁が紫色に染まっていました。竹の出汁(塩漬けした竹を土中に埋めて発酵させたもの)がふんだんに使われており、とてもコクがありました。上にはさまざまな野菜の種が乗っていて、見た目も華やかで、食感のアクセントになっていました。
スペアリブはおそらく圧力鍋で煮てから、ローリエや竹の出汁とともにセイロで蒸されていると思われます。特製麻辣味噌は、細かくたたいた豚肉と刻んだナッツが混ざった山椒ベースの甘味噌で、ちょうどよい辛さに甘味とうま味が合わさった味でした。一口食べると、胃の辺りが熱くなり、体がぽかぽかと温まりました。上に添えられていた野菜は茹でた菜の花でした。私の皿には出汁を取った後の塩漬け発酵竹が乗っていましたが、塩抜きしたメンマでした。
・干し豆腐と香菜の和え物:干し豆腐は細くて歯ごたえがあり、香菜の香りはあまりきつくなく、さっぱりとした味わいでした。
・柚子トマト:湯剥きしたトマトが柚子果汁と蜂蜜で和えられており、爽やかな酸味と甘味で口の中がさっぱりしました。
・ブロッコリーと大蒜の漢サラダ:ブロッコリーがかなりやわらかく茹でられており、おろしにんにく入りの竹の出汁で和えられています。ブロッコリーとにんにくは合いますね。
・山芋と昆布の漢あえ:山芋短冊のシャキシャキした食感に竹の出汁と細切り昆布のうま味がたっぷりの和え物でした。
〇食材分析
帰経では「脾」が最も多かったですが、主食材であるハトムギ、黒豆、豚肉に着目すると「腎」に作用する料理とも言えます。
〇その他
お料理をサーブしていたスタッフは店長の奥様だったようで、食材についてとても詳しく教えてくださいました。塩漬け発酵竹からの出汁がこのお店のこだわりで、柚子トマト以外のすべての料理に使われていました。日本にはない破竹や大名竹に似た感じの柔らかい竹を切ってすぐ塩漬けにして土中に埋めて発酵させます。日本でもいろいろな竹で試してみましたが、どれもうまくいかなかったそうです。今でも中国の竹を使っているとのことでした。しかも標高1000メートルあたりの竹じゃないとだめなのだそうです。
お店の方はメンマとは呼んでいませんでしたが、塩漬けした竹を発酵させた食品といえば「メンマ」に当たります。メンマについては、また後日、調べてみます。
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