初潮がきた日のこと
4年生のとき、生理が始まった。恥ずかしい気持ちでいっぱいだった私は汚れた下着を下洗いもせずに洗濯かごに入れ、そのまま当時通っていた習字塾へ行った。
家に帰ったら「おめでとう」と言われ、赤飯が用意された。
父にも報告がいったようで、父からは「友達とそういう話(生理の話)するのか?」と聞かれた。それに対して私は首を横に振っただけだったと思う。
とにかく、恥ずかしくて、嫌だったのだ。
ナプキンを持ってトイレに行くのが恥ずかしく、洋服まで汚すことがしょっちゅうあった。
それに対し、母はトイレに行かなかったの?と驚いたものの、汚れた下着やズボンを自分で洗わせるということはしなかった。
汚れた衣類や下着、使用済みナプキンは脱衣場にある蓋付きバケツの中に入れるように言われていた。だから私はその通りにしていた。
しかしバケツの中の汚れた衣類や下着を、母はすぐに洗うことはなかった。
おそらく自分の生理周期に合わせて洗うか、バケツが満タンになったら洗うかという状態だったのだと思う。
なかなか洗濯をしないので、そのうち生理用ショーツが足らなくなる。
母に「ないんだけど…」と伝えると、母は「洗っとくからこれ穿いて」と、自分の生理用ショーツを差し出すのだ。
私と母は、ショーツを共有していたのだ。
嫌だったけど、穿くものがないから仕方がない。
そのうち、毎回母にショーツが足らないことを伝えるのも嫌になり、私はバケツの中から汚れの少ないショーツを探して、穿くようになった。
自分で洗えばいいという発想は、当時の私にはなかった。
そんなこと教えられていないし、勝手に洗濯機を使ったら母に何を言われるかわからないから。
毎回、生理が始まると「かかったの?」と、聞かれるのも嫌だった。