読書:「ホセ・ムヒカの言葉」
良書に巡り合いました。
本書にもありますが、ムヒカの言葉は「禅」や「仏教」の思想に通じるモノがあり日本人に受け入れやすい内容が多いです。
本書の中で好きな言葉、感銘を受けた言葉を紹介します。
「この短い人生をフルに生き、人生を愛し、そのために闘い、人に伝えようとした美しさ」
「貧乏とは、欲が多すぎて満足できない人のことです」
「私は貧乏ではない。質素なだけです」
「時間であふれることこそ自由なのです」
人生をフルに生きて人生を愛する。
日々お金を稼ぐために仕事をして、ぼんやりと土日をやり過ごしている自分には耳が痛いとともに、他人を愛するのではなく自分を、自分の人生を愛してあげることが大事(愛すればいい)のか!という気づきを得た言葉。
例えば、アドラー心理学ではパートナーを愛して、人生の主語を一人称から二人称にすることで子供から脱却し、万物への愛(共同体感覚)を説いています。また、フロムの愛するという事も、対象が人を超えて万物への愛に向かっていると理解しています。仏教も同じですね。
僕はこういった思考は苦手です。自分さえ愛せていない(満足できていない)のに、他者へ、万物への愛なんてハードルが高すぎます。
ムヒカの言葉が僕の理解通りかは置いておいて、「人生を愛し」というフレーズを読んで真っ先に感じたのは、
「あ、自分の人生を愛せばいいのか。自分の人生を愛してもよいのか」
という事です。何というかホッとするような、ストンと腹落ちするようなそんな印象です。
人生をフルに生きるというのも実践が難しい言葉です。
アドラー心理学的に言えば、人生の一瞬一瞬をダンスを踊るように生きること、仏教でいえば無常観ということでしょうか?
僕の場合、「フルに生きる」と言えば、より効率よく稼ぐことに思考がフォーカスされてしまいますが、そうではなくて自分の夢に取り組む時間、友人や家族との時間、ボランティアなどの社会貢献の時間、趣味に没頭する時間。そういった時間を持つこと、一瞬一瞬を真剣に取り組むことが人生をフルに生きるということなんでしょうね。
以上、本書を読んで一番感銘を受けた部分について、どう感じたのかを言語化してみました。
他にも、価値観の近い言葉、実践が難しいなと感じた言葉、日本の政治家に肝に銘じて欲しい言葉などなど胸に響く言葉が並んでいる素敵な一冊です。