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国1番の善人 続き

手下が持ってきたたくさんのただの石ころや鉄くずなどを目の前にして、金持ちの男は左手でぽんぽんと叩き始めた。
するとそれらはたくさんの紙幣にかわり巻き上がって男の頭の上からふってきた。手下どもは手を叩いて喜び金持ちの男はなんとも言えない笑顔を浮かべた。
「俺に良い考えがある。お前たちついて来い。」
と言うと男はまずしいひとたちが住んでいるところまでやってきた。手下はかたっぱしから家をこわしはじめ、その材木やらをどんどん札束に変えていった。「なんだ。金をかせぐことなんて簡単じゃないか。」そう言って男はげらげらと笑っていた。

しばらくたって、その金持ちの男はさらに金持ちになっていた。広い宮殿のような屋敷に住み車を何台も持ってたくさんの女性たちを家に住まわせていた。国中の人たちが男の言うことを聞き、いつしか皆が「皇帝」とまで呼ぶようになった。
ある時男はもっとお金がほしいと思い、左手に不思議な力をくれた老人をもう一度探すように手下どもに言って、国中をさがしまわした。
とうとう手下の1人がその老人を見つけ男の前に連れてきた。
 男は老人の前にたくさんのごちそうや金ぴかの服などをならべ「おれはもっと金持ちになりたい。何か良い方法はないか。」と話した。
すると老人は「からだ中から札束を産め。」
と杖で男のあたまをこつんとついた。

叩かれたあたまのてっぺんから男の体が金色にかがやき体が中に浮き始めた。
「おれは世界一の金持ちになってやる!」
まずはじめに男の金ぴかの服が札束になりパンツまで札束になったかと思うと、ぽん。と男の宮殿やらたくさんの車、宝石ばこにしまっている金銀ダイヤモンドなど。すべてが札束に変わってしまった。

それを見た国中のひとたちがいっせいに集まりひとつ残らず札束をかかえて持って行ってしまった。というわけさ。

 どんとはれ。

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