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【注意】ワーク・エンゲイジメントのネガティブな影響

みなさんこんにちは。現役大学院生(産業組織心理学専攻)兼人事・組織コンサルタントのミナミです。

前の記事では、ワーク・エンゲイジメントがポジティブな概念であると紹介しました。

しかし、残念ながらワーク・エンゲイジメントにもネガティブな面が存在してしまいます。

今回のnoteでは、注意したいワーク・エンゲイジメントのネガティブな影響を紹介していきたいと思います。

それでは早速いきましょう!


ワーク・エンゲイジメントについて(おさらい)

ワーク・エンゲイジメントとは、「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、特定の対象・出来事・個人・行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知」です。

ワーク・エンゲイジメントは、3つの要素(活力・熱意・没頭)によって特徴づけられます。

ワーク・エンゲイジメントは、

  • 心身の健康

  • 仕事や組織に対するポジティブな態度

  • 仕事のパフォーマンス

といった要素にポジティブな効果を与えることがわかっています。

詳しく知りたい方は以下の記事を読んでください!


ワーク・エンゲイジメントのネガティブな影響

ワーク・エンゲイジメントは、基本的にポジティブな心理的概念ですが、残念ながらネガティブな影響を与えてしまうこともあります。

まず第1に、ワーク・エンゲイジメントが高い社員は、自分の仕事にエンゲイジするあまりに自宅に仕事を持ち帰ることがある可能性があることが挙げられます。

仕事をしすぎると、ワーク・エンゲイジメントと似た概念ですが、ネガティブな概念であるワーカホリズムに陥ってしまう可能性があります。

ワーカホリズムについては、以下の記事で詳しく書いています。

第2に、ワーク・エンゲイジメントが高いと家庭生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

仕事に対する注意が高まると、男性の場合は家庭生活への注意の度合いも高まる一方で、女性の場合はその度合いが低下することが示されています。

また、ワーク・エンゲイジメントが高まるとワーク・ファミリー・コンフリクトが高まることが明らかになっています。

*ワーク・ファミリー・コンフリクト
仕事と家庭で求められる役割が両立せず、葛藤を感じる状態にあること。

ノルウェーの大学教員を対象にした量的調査では、活力・熱意はワーク・ファミリー・コンフリクトを低減させますが、没頭はワーク・ファミリー・コンフリクトを高めることを明らかにしています。

没頭がワーク・ファミリー・コンフリクトを高めるのは、仕事に没頭しすぎて過度に時間やエネルギー等のリソースを注ぐことで、仕事以外の生活に必要なリソースが不足するためとされています。

このように、活力や熱意と異なり、没頭は家庭生活に対して悪影響をもたらすという研究が積み重ねられています。


まとめ

今回は、ワーク・エンゲイジメントのネガティブな影響についてご紹介しました。

基本的にワーク・エンゲイジメントはポジティブな心理的概念ですが、「没頭」の要素が家庭生活にネガティブな影響をもたらすことがあります。

また、あまりに没頭しすぎるとワーカホリズムに陥ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

仕事にやる気があるのは良いことですが、ほどほどにして、生活も大切にしていきましょう!

それでは今回はこの辺で。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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