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詩「歩む道」


僕が
何気なく歩む
この道も
かつては
沢山の人類が歩んで居た

僕には
見る事は出来ない
感じる事も出来ない
囁きを聞く事も出来ない
でも
彼等の存在を
想う事は出来るんだ
強く
強く
強く

あの壁の角で
かつての人類が
純な涙を流した
あの公園では
誰かが
屈辱的な怒りを発した
僕が指差す
あの空に
多くの人々の喜びが上昇して行った
あの川の流れには
今まで
彼等が感じてきた特別な想いが
たくさん
たくさん
流れていた

「君は、それで良いのか?」
僕は
かつての人類に
ふと
呼び止められた様な気がした
僕の勘違いかもしれないけれど
(僕の影は、驚いて、ほんの少しだけ伸びた?)
その度に
僕は
自分を律するのだ
未熟な己自身を

他の人には
普通に
ただ歩いている道
僕は
僕だけの道を歩む
大多数の人々は
足早に近道を選んだ様だけれど
僕は
わざとゆっくり歩いて
かつての大勢の人類と共に
遠回りをしながら
一歩ずつ
一歩ずつ
歩んで行く

地球の壮大な歴史から見れば
ほんの一握り位の
少なくも
愛おしい
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