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詩「果実」


刃先を入れた途端
顔に飛び散る飛沫
目に入ると
酷く痛み、涙を流す

若い果実
まだ、青く、ほろ苦い
それさえも魅力

弾けそうな位の弾力
命そのままの力で
いきなり飛び出す
勢いは最大級
他者を巻き込み
この青い地球ほしを廻す
そこに立っているだけでも
影響するというのに…
端から端まで
豪快に動き回るというのだから…
世界が刺激される

重力に逆らえない
大量の果実が
坂をゴロゴロと転がり落ちて行く
様々な方向に
私は一つ手に取り、香りを嗅いで目を閉じる
嗚呼
切に懐かしい…

恐れを知らぬ
破竹の勢い
そのままで
四方八方に転がって行く

嗚呼
懐かしき光景よ
それは
かつての私の姿だったから…

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