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詩「消せないシミ」


某飲み会で
いつの間にか
お気に入りの洋服に
シミがついた
一日放置してしまったので
布に完全に染み付いて
超強力な漂白剤を使っても
消えなくなってしまった
お酒を飲み過ぎて
ベロベロになって
あの夜の記憶があまりない

昨夜 
すぐに対処していれば
こんなシミにはなっていなかった

職場での
部長の
私の仕事のミスについての激しい怒りや
お局さんの
毎日の小言やら
先輩の冷たい視線や
同僚の裏切り
後輩からの好奇な興味心も
根に持ち続けていたから
こうして消えないシミになった
私の心に
こびり付いて離れないシミ

その日その日で
私が
全部流していたら
こんな真っ黒いシミにはなっていなかった

学校での
好きな同級生の好意も
笑顔も
眼差しも
私が長い間
応えなかったから
こうして消えない青春のシミになった
私の心が
生み出してしまったシミ

私も
すぐに
素直に
好きだと伝えていたら
こんな寂しいシミには
なっていなかっただろう

お気に入りの
高価なワンピース
と私に
こびり付いた
数々の
シミ
シミ
シミ
染みよ…

ここまできたら
もう
どうしようもないから
私は
そのワンピースを
捨てる事にした

はい
さようなら
グッドバイ

どんな言い方で
誤魔化しても
私の脳にこびり付いて
あのシミは
すぐには
忘れられそうにもない

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