詩「砂」
全て細かい粒子になった
皆の心は
ひとつ
(ここに来たくて、来たのではない)
風や
川や
海や
何らかの手によって
ここに流されただけだ
或いは
人の手によってかもしれない
いずれにしろ
そこに自分の意思は、ない
ひと時の休憩の為にいるもの
この粒子の大半が…
誰も
何も聞きもしない
誰も
何も言いもしない
ただ
そこにいるだけ
人工の光が当たっているから
皆
ちゃんと道を作っている様には見える
でも
実際
道を形作っているのは
ほんの一握りの砂
この粒子の大半が
不安がっている
寂しがっている
そして
何処か遠くへ行きたがっている
やっぱり
此処じゃ満足できない
やっぱり
此処じゃ役に立てない
また風に吹かれて何となく
何処かの砂に混じるのか
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