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【続いてる写経 810日め】〜「志野流香道」に触れてきた          

6月26日まで開催中の「香道の世界 ~志野流香道五〇〇年の継承~」@増上寺に行ってきました。

よくよく考えると、増上寺は初めてでした。
徳川家の菩提寺だけあって、東京タワーを借景に都心の一等地、だだっ広い境内が広がっておりました。
これだけで、凄いわ。


普段お稽古行ってるのは「御家流」の香道なので、流派が違う志野流は体験したことがありません。
何やら細かい決まり事が多いようで、実は御家流のほうが緩めという見方もあります。

展覧会は、お香道具や当主の掛け軸、香木などが陳列されていました。
お道具類を見ていると、御家流よりもはるかに種類が多く、様式も細かくあるようです。

香木は伽羅、羅国など6種類に分類されてますが、そのすべての原木が展示されていて、それぞれ特徴的な姿をみせているのが面白かったです。

この展覧会の白眉は、志野流が所蔵する蘭奢待。
ガラスケースには、蘭奢待の一部らしい香木が置かれてました。

蘭奢待とは、東大寺正倉院に所蔵されている香木のことで、天下の名香とされてます。
この蘭奢待から足利義政が切り取ったものの一部を志野流の祖・志野宗信が賜ったのだそうです。

つまり、正倉院と同じ香木の蘭奢待が、志野流に伝わっているのです。
なので、今は決して焚かれることのない蘭奢待、志野流お家元ならば聞くことが、やろうと思えばできるのでした。

今回は、5月に特別献香式が行われ、この志野流に伝わる蘭奢待が献香されたのだとか。すごいですね。
香りを楽しむ一瞬のために、宝物を燃やしてしまうも同然。

どんな香りだったんでしょうねえ。。
今まで聞いたお香から、想像することしかできません。

香道で使われる沈香は、天然木です。
東南アジア原産で、ジンチョウゲ科の木からでた樹液がバクテリアなどで土中に沈められ、それが数十年を経て熟することで香りを発するようになったもの。

木から”いい香り”が漂うのではなく、自然界の作用の中で出来上がったものなのです。
なので、厳密に言えば”同じ”香りは2度とないんですよね。しかも消えてしまう。

たとえ蘭奢待レベルではなくとも、沈香のお香は貴重です。
品質はピンキリだといいますが、伽羅に至っては金より高いですからね。。

どうも香木を見ていると、つい金銭的な思考に行ってしまう自分・・
香木みてるだけでは、香らないですからねえ・・


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