【続いてる写経 889日め】〜お伊勢ではお塩も自給自足なのでした
今回のお伊勢さま詣での備忘録。
最終日の二見浦で、「地元のひとが大切にしている神社がある」と連れて行ってもらったのが、「御塩殿神社(みしおどのじんじゃ)」。御塩殿鎮守神というお塩の神様をお祀りする神社でした。
二見浦の駅から、二見興玉神社とは反対側に歩いて15分ほど。
神社の前には鴨長明の石碑がありました。この神社に参拝した時の感銘が詠んだ和歌が刻まれています。
「二見潟神さびたてる御塩殿 幾千代みちぬ松かげにして 長明」
境内は静かで厳か。月讀宮のような雰囲気がありました。
正面の大きな建物が神殿ではなく、神社としての建物は左でした。大きさに惑わされてはいけませんね。
と、そこで神社守りとしてお掃除されていた方にお尋ねするまでわかってませんでした。
この方は御塩殿神社をお守りするお仕事と、お伊勢さん観光案内人としても活躍中の里田和也さんでした。
里田さん、我ら一行の質問だけでなく、パンフレットとともに御塩殿神社について、詳しい解説をしてくださいました。
この神社は伊勢神宮内宮の所管社で、神宮の祭典で使用する堅塩(かたしお)を作る場所。裏側には塩田は五十鈴川河口の「御塩浜」で、昔ながらの入浜式製法で作られているそう。海水をいれて、砂を撒き、天日で乾燥させ、砂を返してさらに乾燥させる作業を繰り返し、塩分濃度を高めると、鹹水(かんすい)という元ができあがります。
この鹹水を神社の裏側にある御塩焼所(みしおやきしょ)の平釜でたいて、荒塩をつくり、これを焼き固めて「堅塩」を作るのだそう。
この「堅塩」は、1回につき半年分200個つくり、これを砕いて、朝晩の神饌にお供えするのだそうです。
お供えのときには、「トクラベ」(別名:ミミズバイ)という植物の葉に乗せられるのだそうです。この「トクラベ」は神様の食器として古代より珍重されているそう。この葉っぱを切って、お塩を乗せるのだそうです。
敷地を海側に抜けると、伊勢湾が一望できて絶景です。
里田さんにはここでも、あそこでは何がとれる、あちらでは何がとれる。。と色々細かくご説明いただいたのですが、、、覚えきれませんでした!!すみません。。
神様を祀るとともに、工場も併設しているという面白い神社様。
そして、いかにお塩が大事にされてきたかを物語っている場所ですね。
ちなみにここでのお塩は非売品です。神様のためのものだから当然か。
二見浦にある旅館「岩戸館」では、製法は違うものの、二見の海水から天然塩を自家で作られてるそうです。ここのお塩はネットでも購入できます。
お塩だけでも話題が語り尽くせないほどあるお伊勢様。
塩田そのものも見てみたいし、ほかの自給自足品の作り方なども興味が尽きないのでございました。
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