【続いてる写経 1683日め】終わっちゃったね〜『推しの子』
4年半の連載を経て『推しの子』が完結。
今年は『呪術廻戦』も完結したし、『ヒロアカ』も終了間近という。
話題のコミックの入れ替え期なのかもしれません。
さて『推しの子』。(以下はちょっとネタバレになるかもしれない)
伝説のアイドル・アイの素性と死を巡る復讐譚で始まったこの話。
アイが殺されるに至った経緯と犯人は判明し、復讐もきちんと果たされます。
が、最終回手前の回があまりにもショック過ぎて…。
モヤっとするし、熱心なファンの間で炎上とか、抗議したくなるのはホントわかります、わかります。
ただ、極めてハッピーエンドとは言い難い結末にしたことに、作り手サイドの勇気というか、こだわりというか、美学みたいなものを感じましたね。
ハッピーエンドにしなかったのは、昨今大流行りの”転生モノ”への皮肉も多少あるのかと。
好条件で転生したからと言って、イージーに生きられるわけではなく、
却って苦しいこともあると。
今の人生の意味を、君も考えてみたらどうなんだい?
とのメッセージもあるような気もしました。
個人的には、『推しの子』内で芸能界のリアルな内情が描かれ、
連載進行と同時に、
・世の中で芸能界の暗部が次々と明るみになったこと
・原作者とTVドラマ製作者の間でのトラブルが事件になったこと
現実世界とのリンクが非常に興味深かったです。
マンガの世界でも描けるようになったから、業界も是正せざるを得なくなったのか。
どちらが先かはわかりませんが、芸能界が大きく変わる節目、これからも本作はメルクマールとして語られるのではないかと思います。
あと、赤坂メンゴさんの描くキャラクターのポージングやコマ割りが絶妙でした。
初めあざといアイのポーズとか見て、ちょっと抵抗があったのですけど。
不自然なんだけど、アイドルって確かにこんな感じかも。
説得力あるイラストの完成度に、見返すとあっぱれです。
ああ、でも毎回楽しみにしてたマンガ終わっちゃうの、ほんと寂しいなあ。
最終回近辺切ないけど、もう一回一気に読みたいですわ。RIP。