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【続いてる写経 887日め】〜夫婦岩(二見興玉神社)のレアなお姿

前日夕方に突然訪れることになった二見浦。二見興玉神社の柱に告知が貼られており、「台風のため、大注連縄張神事は九月十日 十時からに変更となりました」。

「大注連縄張神事」とは、夫婦岩に掛かっている縄を張り替える神事でした。年3回行われるうちの、9月の回が日付変更になっていたのです。

「十日が明日」だと、全然ピンときていなかったワタシ。
同行のYさんが、「こんな機会はめったいないわよ〜、行きましょう!」とプッシュしてくださり、違う別宮様を参拝する予定を変更して、再び二見浦に向かいました。

前日までの雨雲は消え去り、真夏日の気候。
JR二見浦駅から御塩殿神社に立ち寄り、二見浦に到着。
(御塩殿神社の話はまた別の機会に)
夫婦岩の間に、昨日まであったお縄がない…。とても珍しいお姿に。

この姿だけだと、何かわからない

ご祈祷を終えた縄が海岸に運ばれてきました。
本来は「縄の手送り」という、参拝者がみんなで岩まで縄を送っていく行程のようです。残念ながらこれは例によって病魔のため中止。餅まきもナシ。

そのおかげか参拝者で押し合いへし合いというほどでもなく、岩の目の前で一部始終を見守らせていただくことができました。

炎天下の中、氏子さんたちが岩に登り、縄を渡して岩にかけ、位置を固定していく完全な手作業。縄も素手で掴んでいて、手が切れないか心配してしまいます。またマスクのせいで、さらに暑そう。。大変な作業です。

一本ずつ固定して、五本かけて、微調整

縄を1本、2本と合計5本渡し、それぞれの縄に5つある結び目の位置を遠目で見て縦に並ぶよう、金槌で叩いて微調整をしていくのでした。

最後にはお酒を夫婦岩それぞれに振りかけ、お清めして終了。

終わった瞬間に太鼓が盛り上がるわけでもなく、淡々と氏子さんが戻っていくのが印象的。労いの拍手もしそびれました。

こうやって作業工程を見ていると、二見だけでなく全国の夫婦岩にかけられている縄のメンテナンスがいかに大変なことかを実感。
思わず頭が下がります。みんなで二礼二拍手一礼してその場を去りました。

奥の龍宮社に向かう途中に、倉庫があり、なんとお役目を終えた縄が置いてありました。ただの縄なのですが、ほっとして休んでいるかのような様子。
前回の神事が5月だったので、4ヶ月ほど風雨に晒されたことに。新たにかけれられた縄とはちがい相当傷んでいるのがわかります。

お役目を終えた先代の縄

前日の縄の本数を写真で確認してみたら、5本かけられていたはずが、1本だけでした。4ヶ月のうち無くなってしまったのか、神事に向けて1本ずつ切っていった結果なのかは不明。

前日夕方の姿、縄はもう1本だけ

なんにせよ、多くの人の手で支えられている。
神事そのものは表舞台ですが、いつもの風景の裏側を見ることができた貴重な機会でした。
これも日にちが変わっていなかったら出会えなかったので、タイミングに感謝です。

ちなみに最後にかけられたお酒は「二見ヶ浦」という銘柄。
田所酒販さんのオリジナルで、ここでしか取り扱いがないそう。
(前を通ったにも関わらず、買いそびれました)

まぁ、これも「また次の機会」にね、ということでしょう。


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