【続いてる写経 678日め】〜『民藝の100年』を観た
昨年末に見損ねた、国立近代美術館の『民藝の100年』を観てきました。
「民藝」という言葉は知っていましたが、その活動や思想はよく知らなかったので、新たな学びとなりました。
民藝運動の歴史は、昭和の激動の歴史と連動。
関東大震災以後、鉄道網が発達したことで、日本全国を旅することが可能に。
柳宗悦氏ほかメンバーは全国各地にある普遍的で美しい工芸品や織物、日用品などを収集。
それらの品々から新たなデザインを生み出して、日本の用の美を伝えていったのです。
その活動範囲は、美術館、出版、流通を三本柱とし、日用品、衣類、家具から食文化や景観保存まで多岐に渡りました。
戦時下では、海外向けに日本文化のイメージアップや、日本国内の国威発揚にも利用されたのでした。
なので、太平洋戦争真っ只中の1942年とかでも民藝の冊子は発行されているのです。
戦時下女子工場職員の特集とか❗️
戦時中に文化的な活動が、"あえて"継続されていたとは。
これは驚きましたね。
この民藝運動が切れ目なく継続されたことは、結果として、日本固有の民俗文化の継承を担うこととなりました。
戦後国際交流の先鋒となり、再び日本文化の発信役となるのです。
やっぱり文化って、美しいモノって、国を救うんだね。
民藝の思想は、おそらく無印良品の誕生にも繋がっていそうだし、バルミューダとかにも近いもの感じます。
もちろん創始者の柳宗悦さんの息子である、柳宗理さんデザインの品々も。
我が家でも、このフライパン使ってる^_^
とってもボリュームある展示でしたが、発見多い楽しい展覧会でした。
民藝的美しいモノ、揃えたくなりますね〜。
ワタシ的に気になったのは、初期からのメンバー、イギリス人のバーナード・リーチさんの絵。
サラサラと描かれているのですが、本質をギュッと捉えているような感じ。
彼が気に入っていって使っていたのは、なんとイカ墨から作ったセピア色のインク❗️
イカ墨製⁉️
こんなものが作れるんかい、と調べてみたら月10本しか作れない限定品らしいです。
醤油の次は、イカ墨、で写経書いてみたいなぁ…