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【続いてる写経 560日め】〜二人の偉人の御宸筆

『最澄と天台宗のすべて』@東京国立博物館に行ってきました。
天台宗ゆかりの秘仏の数々が集結!!ってことでいたが、今回はワタシの興味はもっぱら書のほうでした。

まず最初にきたのは弟子の泰範に宛てた、唯一現存する最澄さん自筆の手紙、「尺牘(久隔帖)」
戻ってこない愛弟子への愛のこもった内容で、なんとなく切実な様子が伺える文字です。少し弱々しい、何か迷いを感じさせるものでした。

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それに対して、同じく最澄さんの「天台法華宗年分縁起」
これは有名な「国宝(こくほう)とは何物(なにもの)ぞ。宝(たから)とは道心(どうしん)なり。道心有(あ)る人(ひと)を名づけて国宝となす。」とご自身の主張するところを語られているだけあり、確固たる自信を感じさせるブレのない文字です。

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最澄さんの文字は以前読んだ書道の本では、同時代の空海さんに比べ、さほど評価はされていなかったのです。が、高潔かつ実直な人柄がよく出ているとても几帳面な文字で、清々しい美しさを感じました。

文字表現への遊びはなく、主張がすべてという感じ
その辺が明らかに空海さんとは違いますね。

で、一番楽しみにしていたのは、空海さん、橘逸勢とならぶ平安の三筆である嵯峨天皇のご宸筆である、国宝「光常戒牒」
これは嵯峨天皇から。最澄さんの弟子である光常さんへの、授戒に下付された証明書だそうです。

「光常戒牒」は。。いやいやいや、、、これは、、すごい。。
まさに光放ってました。。なんかぴかーっってきた。
「光」のこの文字、輝いてましたよ。。(写真ではちょっとわからないかも)

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先日京都の大覚寺で、嵯峨天皇の般若心経レプリカを観たときとは違う感動でした。
時の最高権力者かつ平安の三筆、その本物の書。迫力が違う。
自体もは混じっていて、ぱっと見たところ空海さん風ですが、欧陽詢など書の達人の影響を受けているものだそうです。

証明書なので、印がまたその風格をあげてましたね。
(こーゆーの見るとハンコ文化をバカにできないね。。)
また、とても1200年前のものとは思えない、綺麗な墨色なのです。

ああ、この目で観られて幸せでした。

その他、かの有名な最澄さんの肖像画と彫像も感慨深かったです。

後半江戸時代あたりの仏像や曼荼羅など、とにかく保存状態がとても良いです。
深大寺の秘仏「慈恵大師坐像」のデカさにびびりました。同じ深大寺の釈迦如来像も良かったなあ。

でも自分としては最初のコーナーで思いを遂げてしまったので、後半の仏像はちょっと気がそぞろに。。

「光常戒牒」を最後にもう一度拝み、ショップでやっぱり買ってしまった、おかざき真里先生による『阿・吽』コラボグッズ。

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実際の最澄さんも色白で背が高くイケメンだったとの話です。

ああ、満足だ。。また『阿・吽』読み直そう。。







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