
【続いてる写経 1392日め】”いまが読む時”だった『陰陽師』(岡野玲子さん版)
今さらではありますが、一時期ブームになった岡野玲子さんの『陰陽師』を読み始めました。(原作は夢枕獏さんです)
昨年、国立歴史民俗学博物館の『陰陽師』展に行ってから、安倍晴明と陰陽師を知りたくなり、買い揃えていたものにようやく着手。
平安時代の雅さと、並立するおどろおどろしさ。陰陽の世界のコントラストが見事に描かれ妖しい雰囲気を放っています。
本作が注目を浴びている当時には、ワタシは全く興味がなかったこの世界。
年を重ねて、仏教や神道、おまじないなど日本文化に興味を持ち、空海さん好きとなった今の自分にとって、読むべきタイミングだったと思いました。
特に第1巻のエピソード『梔子の女(くちなしのひと)』。
般若心経の写経をする法師の話が出てきます。
法師・寿水は親の供養のため、般若心経の写経を毎日十巻、千日続けることを目指しておりました。100日余り続けたころから、夜中に”あやかし”(この世のものではない存在)の女性が現れるようになりました。
寿水は”あやかし”に、何の用かと尋ねると、”あやかし”は着物の袖で隠していた口元を寿水に向けました。
その顔にはなんと、”口”がない…。
その後も”あやかし”は毎晩のように現れ、古今集の歌をさし示して何かを伝えようとしてます。
困った寿水は、”あやかし”をどうしたものかと、源博雅に相談をもちかけた。
博雅は親友の陰陽師・安倍晴明に事の次第を語ったところ、晴明は何やら思いついたようで…。
以下はネタバレになるのですが、
晴明は寿水の所へ赴き、自ら”あやかし”に望みを尋ねます。
”あやかし”が反応したのは「如」と書かれている紙。
晴明は、寿水が所蔵している経本を確認しました。
すると経本「如」の字の、”口”部分が墨で汚れ見えなくなっていたのでした。
それで、”あやかし”には”口”がなかったというわけです。
晴明が「如」を書き直した紙を貼り付け修正し、一件落着。
経本にも何かが宿っている。大事にしようね❗️ってことでしょうかね。
昔は経本そのものが、換えがきかない貴重なものだったでしょうから、現代よりずっと気を遣って写経したのではないかと思われます。
というわけで、印刷物には恵まれている現代ではありますが、
経本や経文へのリスペクトは忘れないようにしようと思った次第。
”あやかし”がわが家に出てこないように…。
しかしながら、この話読んでる時、”あやかし”が抑えている口元を外したら、出てくるのは”口裂け女”?
と、一瞬期待してしまいました。
昭和世代的に、、。