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【続いてる写経 1661日め】突撃・長浜市「観音の里 ふるさとまつり」 その3


観音様への信仰の篤さに心打たれた西野薬師堂を後にし、次なるスポットへ。

黄色いⅢコース、左下らへん


ようやくシャトルバスに乗ることができて、車移動。ありがたし。

8箇所目:竹蓮寺(西阿閉自治会)

シャトルバスの案内の方が、次は”にしあつ”です。
お寺の名前と全然違う名称を言うので、ここで良いのか迷いながら下車。
こちらは、”西阿閉”という地域で、地元の人はお寺もそう呼ぶらしいです。

こちらも自治会によって管理されているお寺のようです。
こちら「聖観音」と書かれているものの、螺髪や着衣の様子から、元は阿弥陀如来像だったとみられるそう。
確かに堂々たる風貌は如来っぽいですね。

「川に流れていたところを拾い上げられた」伝説もあるそうで、螺髪が磨耗しているのは、そのためらしい。

戦乱の世では、焼失しただけでなく、川に流されて失われた仏様も多数いらしたのかもと思わせるエピソードです。

9箇所目:東阿閉薬師堂

西阿閉から歩くこと15分。今度は東阿閉へ。
こちらはどう見ても、神社ではないですか。もう驚かないけど。
奥に薬師堂があり、ご本尊・薬師如来様が聖観世音菩薩様と毘沙門天2体とご鎮座。
平安期の古い仏像であることが、デフォルメ気味のお顔からわかります。

近所の風景

平安時代の仏像もフツーにありますって感じなのが、高月エリアのすごいところ。

足元に防虫剤がいくつも置かれていて、お堂管理の大変さを物語っているかのようです。

10箇所目:冷水寺

また歩くこと15分。地図で見ると近いけど、歩くと遠いのよね。
これまた小さなお堂に、十一面観世音菩薩様がご鎮座。

このお寺、住民の方が建てた「冷水寺胎内仏資料館」がすぐ横にあり、この十一面観世音菩薩様の胎内仏について説明がありました。

この胎内仏の観音様、行基菩薩作として伝わる大変古いものらしいです。

賤ヶ岳の合戦にて、戦禍で焼け爛れてしまった観音様を不憫に思い、上から新しい仏像を被せ、胎内仏としてお祀りしたのだそう。

また西野薬師堂と同じく、住民の方々の信仰心を感じるエピソードです。
この小さな博物館も、ゆっくり読んだら勉強になりそうです。

お茶とお菓子が用意されていて、お接待を受けました。ありがたい。

休憩:高月駅

シャトルバスで一度高月駅に戻り、一旦休憩。
とはいえ、もう14時・・。あまり考え込んでいる暇はない。
ここではお接待のつきたてお餅をいただき、パワーチャージ・・。

バスは使わず、周辺を歩いてまわることに。

11箇所目:高月観音堂(大円寺)

立派な境内に、立派な御神木。
伝最澄作・千手観世音菩薩像をお祀り。
この菩薩様、自ら戦禍を逃れて岩の上に立っていたという伝説があるそう。想像すると、ちょっと怖いよ…。千手観音様だから…。


(誰かが避難させて置いたにせよ、)木造の観音様が焼けずに残っているのは素晴らしいですね。
火除け観音として有名なのだそうです。

ご鎮座する並ぶ仏像群はどれも立派。
変わったところでは、白鬚大明神のお姿も。

写真だけでしたが、”苦行釈迦像”の極端にデフォルメされた姿が印象的でした。

12箇所目:浄光寺

5〜6分ほど歩いて、到着。住宅地のど真ん中にある。

彩色が残る十一面観音様、色が少しでもあると印象違うものですな。
写真で見られた後ろのお顔がかわいい、ウインクしているようだ。

説明員のかたによると、ご自分はお祭りの時は篠笛担当で、今後継者がいなくて困っているとのこと。

どこも担い手不足。
正直、この地区はお寺の維持を地域の住民の方方で担っているので、人口減少がダイレクトに響く。スタッフはご高齢のかたばかりなので、側からみても、将来がかなり心配。

だが、次の向源寺境内のお祭り屋台でこの地域の子どもたちや若者がお客として多数いた。
将来の担い手、頼むよ〜。

13箇所目:向源寺

本来は最初行くつもりだった本命のお寺
白洲正子氏の愛でた国宝・十一面観音様で、7体の国宝十一面観音像の中で、最も美しいとされているそう。(好みはあると思いますが)

このお寺は奈良のような有名古刹の雰囲気。素朴なところが多かっただけに、かえって異質な感じ。 

十一面観音様は、大日如来像とともに別室に鎮座
360度眺められる親切展示。撮影禁止。

美しい…。

存在感が違う…。
ほんとに、ほんとにため息でる、きれいな観音様でした。


この観音様も、戦乱の世では住民が土に埋めて隠したそう。
よくぞこんなに綺麗なお姿でご無事だったものです。

今日ここにこうしてお立ちになられているのは、全て先人のおかげ。

ほんと、この地区の方々と先人の信仰心の篤さに有り難さ、増してきます

ここでほぼタイムアップ。

最後に、行けなかったところ車窓から

拝観はできないけれど、いけなかった場所をチェックするため最後の周遊バスに乗車。

Iコースの山側は坂道多く、ずっと歩いてきた平地側とは雰囲気が異なる。
こっちも観たかったな。でも1日では難しい距離ですね。

うむ、ここ、また来たい。

偶然参加できたこの観音祭り、一度に地域の貴重で立派な観音様像を拝めるとても良い機会でした。

うん、また来年リベンジしたい。

ちなみにスタンプラリーをやっていて、10箇所巡ったので、
「観音米」をいただきました。もちろん新米。

ありがとうございます、高月のみなさま。

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