浮気したくなった時の対処法としてカレーの手食はどうだろうか #16
「カレーは、手食で食べる方がおいしい」
カレー好きは口を揃えて言うが、ちょっぴり潔癖気味の私にはハードルが高い。食べにくそうだし、スプーンで食べる方が効率的だと思っている。
だが、上記の旅行作家石田ゆうすけさんの記事を読んで「手食」という行為は情感的な意味合いをもっているのでは…?と思うようになった。
モニカが笑いながらやり方を教えてくれた。右手の指を閉じてスプーンのような形にし、ひと口量のご飯とカレーを、閉じた4本の指先にのせる。それを自分の顔に近づけ、親指でシュッと料理を押し出して口に入れてやる。
この親指のシュッという使い方がポイントで、やってみるとなるほど、格段に食べやすくなった。
慣れてくるとやがてカレーの味のほうに意識が移り、目の前が開かれていくような心持ちになった。スプーンで食べるのとは明らかに味が違う。香りや歯触りに“手触り”が加わることで味が立体的に立ち上がり、香りの細かな粒子まで見えてくる気がする。ますます興がわき、ご飯をすくってシュッと入れる動作がどんどん速くなっていった。
するといつしか、すくってシュッ、すくってシュッ、のリズムが彼女たちと重なり、妙な一体感が生まれたのだ。
互いに膝や腕があたるほど身を寄せ合う狭い部屋のなかで、顔を突き合わせ、同じリズムで、シュッ、シュッ、と食べる。おもしろがっている僕を見て、モニカもジョイも笑っている。
引用:「手食」だからわかるカレーの旨さ|世界のカレーとスパイス③
手食はものすごい食べづらいし、1回に少量しかすくえない。慣れないと、とても食べづらい食べ方だ。
だが、慣れてくるとリズミカルに口に運ぶようになる。
この単純な行為を繰り返すことにより、いつの間にかゾーン(超集中状態)に入っているのではないだろうか。
プレートの中にある、何種類かのカレーやアチャールと、米や小麦粉を焼いた炭水化物達を、指と脳をフル稼働させて自分好みの味になるように微調整しながら一心不乱にカレーを口へ運ぶのだ。
そうしているうちに無意識にゾーン状態に入り、神経が研ぎ澄まされて、快感を自分で生み出すことができるようになる。
▶️ 目の前が開かれていく
▶︎ 香りや歯触りに“手触り”が加わることで味が立体的に立ち上がり、香りの細かな粒子まで見えてくる
まさに、上記の部分はゾーンに入った状態なのではなかろうか…!!
見ず知らずの他人の手から食べるカレーの味
2017年に夫が「初対面の人同士でカレーを食べさせ合う」というシュールなイベントを企画した。
俳優の若者を【手食カレー男子】とし、彼にカレーを「手で食べさせる」ことも、「手で食べさせてもらう」ことも可能な、実に官能的なイベント。
私は、他人の手からカレーを食べたり食べさせるのは絶対できないと思っていたので、イベントに人が来るのか、来たとしても羞恥心で結局自分で手食するだけで終わる人がほとんどだろう、と踏んでいたが実際は真逆だった。
イベントは大盛況!
そして、まぁまぁ大人なお姉さま達が嬉々として目隠しをした俳優くんの口へカレーを運ぶし、運ばれてウットリしていたのだ。(Mっ気の俳優くんもウットリしていたが)
手食で得られる情感
◎ 自分の手から食べれば、
美味しいカレーを食べて食欲を満たす快感と、ゾーンに入って全能感を満たす快感を得られる。
◎◎ 誰かと一緒に食べれば、
一体感が生まれ、孤独感が緩和されて、安心感が得られる。
←◎ 誰かに食べさせられれば、
他人の指が体内に入ってくる背徳感、指を噛んで傷をつけることができる優越感が得られる。
→◎ 誰かに食べさせれば、
他人をジラすことでコントロールしているかのような征服欲が得られる。
あれ? なんだか恋愛に似ている。
手食は第三者が介入することで、駆け引きが生まれ、恋愛欲も満たせるのではなかろうか。
昨今、爽やかイメージでメディア露出している殿方が性欲を我慢できず、不倫をして世論に手痛く叩かれる人が多いが、多くの子孫を残したいという本能が人間に元来備わっているかぎり、抑え続けるのは難しかろう。
だが、日本の一夫一妻制の結婚という鎖制度がある以上、妻以外に手を出すとメディア露出していない民間人だとしても悲惨な未来が待っていることが多い。
そんな人の為に「カレーを食べさせ合う場所」を定常的に作ってみてはどうだろうか。身分を隠し、薄暗い部屋の中で、めちゃくちゃ美味しいカレーを食べさせ合う。
もしかしたら、体を重ねるよりも満足感が高く、後腐れもなく、パートナーを傷つけることのない欲求発散方法になるのではないか…!!!!!
いや、ならないよね。
そして、これだけ盛り上がってみたものの、今後も私は手食はしない。
スプーンで食べたい。
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