
第1回カレーの小中学校 (後編)
カレーがついに完成!
そして、お客さんが食べにくる時間はすぐそこです。
水「さあ、お客さんがくるよ。何を用意する?」
お客さんを迎えるにあたって必要なことを考えます。
・お出迎え
・席までの案内
・お水がお茶を出す
・スプーンの用意
・お手拭きの用意
・ライスの盛り付け
・カレーの盛り付け
・お会計 etc...
大人はちょっとヒントを出すだけ。
どんどん子どもたちからアイディアが出てきます。

「わたし、お水を出したい!」
「ぼくは席まで連れていく」
「あ、メニューもいる?」
「そうだね。あるといいね」
「カレーがどんな味なのかわかるといいんじゃない?」
「早く作らなきゃ」



お客さんを迎えるための受付や机やレイアウトも自分たちで考えます。
「受付の椅子をもってこれる?」
上の学年の子が、下の学年の子の面倒をみながらテキパキと指示を出します。
そして16:00すぎ、一組目のお客さんがみえました。
「いらっしゃいませ」
「こちらへどうぞ」
恥ずかしそうだけど、一生懸命がんばります。
「カレーは2種類あります。最強カレーと小中カレー。これはメニューです」
カレーを運び、お客さんの反応を見守る子どもたち。
「おいしい~!」
お客さんの言葉に、小さくガッツポーズ!

さあ、ここからは一組去って、また一組。
いい感じにお客さんが続きます。
足りないこと、いらないことがわかってきて、どんどんオペレーションも上達していきます。
自分のお父さんやお母さんがくると、なんとも嬉しそうな顔。
でも、ちゃんとお店の人として「これは~です」と丁寧な言葉で話します。
かっこいい!

18:15、販売終了。
残りのカレーをみんなで食べます。
「辛くなくて美味しい」
「家のカレーと違う~」
「ぼくは小中カレーが好き」
「あ、コリアンダーみつけた!」
いろんな感想が出ました。
自分で作ると、おいしくて、大事に食べたくなるよね。
食べてくれた付き添いの方はそのまま残って、子どもたちが片づけをする様子を見守ります。
テーブルを拭いたり、ゴミをかたづけたり、洗い物をしたり。
自分の家だとなかなか見られないような(?)、自らすすんで働く姿に感心している様子です。
そして、授業も終わりに近づきます。
ふつうなら、カレーを作ってみた感想や、味の感想などを聞いて終わりそうですが。

『カレーの小中学校』は一味ちがいました。
「お金」にまつわることをみんなで考えます。
・お客さんからもらったお金はいくら?
・カレーの材料はいくら?
・お米はいくら?お茶はいくら?
・電気代は?ガス代は?
・お店を借りるお金はいくら?
・人にかかるお金はいくら?

お金っていろんなことにかかるよね。
それに気づいてくると、口数が少し減ってしまった子どもたち(笑)。
さて、収支結果は。。。?
「大赤字」!
でも大丈夫。
今回は第1回目のトライアルですから、水野校長も赤字は覚悟していましたよ。
水「じゃあ、もっとお金を残すためにはどうしたらいい?」
生「売るカレーの数を増やす!」
生「もっとカレーを高くする」
生「カレーの材料を安くする」
生「水やお茶のお金を取る」
生「そうだ!水を5万円にしよう!」
生「それじゃ、ぼったくりじゃん!」
生「えーどうする?う〜ん」
水「じゃあ、次のカレーの学校までに、いいアイディアを考えてこよう」
水野校長から宿題が出たところで、本日の授業は終了です。
時間は19:00を回りました。
6時間の長丁場。
休憩を挟みながらとはいえ、ひとりの脱落者も出ずにみんな本当にがんばりました!

すっかり校長と仲良しです
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後日、送っていただいた感想をご紹介します。
<お子さんからの感想>
◎最初はみんな黙っていたけど、だんだんみんなで喋れるようになって、協力してカレーを作れたからすごく楽しかった。にんじんをカレーに入れないのとトマトを入れたことに驚いた。みんなから美味しいって言われて嬉しかった。
◎カレーの作り方を知らない人でも作り方知れて楽しめたと思う。次はスパイスについて、もっと知れたら面白そう。飲食店で利益を上げるのは難しいんだなぁと実感しました。
◎じゃがいもの皮をむくのが楽しかった。サフランの匂いをはじめて嗅いだけど、好きな匂いじゃなかった。水野先生は楽しかった。また会いたい。
<付き添いの方からの感想>
◎参加前と後で明らかに目が違っていました。自分から楽しかった事をたくさん帰り道で話してくれました。また絶対に行く!とまで言っていました。
◎実体験式だったので、全く飽きず最後まで楽しんでいました。次回から授業料も取って良いと思いますし、大人版のように、長く続く活動になることを期待しています!
◎また是非開催していただきたいイベントです。あまりにも贅沢なイベントですが。何より息子が、スパイスの話をしている姿にジーンとしました。なんてったって、ルゥカレーしか食べない子だったので。4大スパイス知ってる?なんてドヤ顔でいう姿にジュニアカレープレーヤーの片鱗を感じました。水野先生が色々な国で色々な経験をされて来たことや、いろいろな事を知っているという事に息子はとても感銘を受けたようです。自分の話をしっかり聞いてくれたっていうのも嬉しかったみたいです。行ってよかった、本当に楽しかったと何度も何度も言っていました。
素敵な感想をありがとうございました。
とても嬉しいです。
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『カレーの小中学校』をスタートするにあたって、大事にしたいことがありました。
それは「好きのタネ」を見つけてもらいたいということ。
『カレー →→ 料理・調理 →→ 飲食関連』
こんな図式が大人の頭には浮かぶと思うんです。
でも、子どもたちにその先入観はありません。
調理が好きな子
片付けが好きな子
食べるのが好きな子
売り込みの方法を考えるのが好きな子
お客さんのおもてなしが好きな子
ディスプレイを整えるのが好きな子
みんなでいっしょに作業することが好きな子
お金のやりくりを考えるのが好きな子
リーダーシップを発揮するのが好きな子 etc..
カレーを軸にしてはいるものの、そのまわりには、さまざまなことに繋がる『→→(矢印)』が伸びている。それに気づいてくれれば嬉しいなと思います。
水野校長の言葉に
「カレーはコミュニケーションツールだ」
というものがあります。
今回、このステキなツールを手にした子どもたち。この体験を活かして「あ、好きかも」のタネをいろんな方向に育てていってくださいね。
ぐんぐんと!
そして、新たな仲間をこれからも増やすべく、『カレーの小中学校』はつづきます。
今後は単発でなく、複数回での開催もできたらいいな、と考えています。
小中学生のみなさんの入学を、ぜひお待ちしております♪

何でもはじめてはすごいんだよ!と校長
(※予定で先抜けのお子さんは入っておりません)
2023年10月
カレーの小中学校運営スタッフ