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【白井未衣子とロボットの日常】5・酔狂の日《11》
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。
ニシアのHR形態【スイム・ドランク】は、竜だとの見方もあれば、人魚のようだとの見方もある。
尾が長いおかげで、今までのHRよりも大きく感じられる。
だが、ヒスロの【アング・ウォール】よりも体格はかなり細い。
下手すれば、エストの【ティア・ルーチン】よりも細かろう。
縦長いHRというコンセプトを保つのが、【スイム・ドランク】だ。
ニシア自身が女性と見間違えられる程の美しい容姿が、HR形態の特徴として出ているのだろう。
武人との戦闘は、合図なしに開始されていた。
長い尾で払うように叩きつけるニシアだが、HRで身の軽い武人は難なくかわす。
水中で抵抗が強くなっている状態でも、軽くかわす。
未衣子達を襲った小魚達の群れも、【ブラッドガンナー】の前に群がった。
HRは細胞分裂による巨大化が主である。
熱を利用した合体は行わない。
だから、水中戦で武人は戦える。
小魚達は両手の小型銃で、軽く撃ち落としていた。
『やっぱり身軽よねあなた。潰しがいがあるわ。』
『こっちは手間ばかりかかるんやけどな。』
『そう言わずに、楽しみましょう?私とあなた、2人だけの戦闘を。』
武人は内心面倒くさくなっていた。
リュートもこの襲撃はわかっている為、応援を頼みたいが…。
ニシアも、武人しか見ていない。
今までの[宇宙犯罪者]達が武人しか見てないのは、彼もわかっていた。
だがニシアと小魚達、両方の相手は難しい。
今はかわせても、持久戦だと保たないかもしれない。
武人はこっそり通信を入れた。
『子供達に輸送機の砲撃をさせるんや。王子達は…身を潜めて攻撃してくれ。』
☆☆☆
小型輸送機にジェット機が格納されてすぐ、私はジェット機から降りた。
他の兄達は別の輸送機にいる。
だからこの輸送機には私と他[ラストコア]スタッフのみしかいない。
武人兄ちゃんの指示で、私は特別に操縦室に入った。
砲撃はこの部屋でしか操作出来ないからである。
操縦室の手前はほとんどモニターで埋め尽くされた。
お陰で小魚達も、武人兄ちゃんの戦いぶりも見ることができる。
「砲撃は1種類しかないから操作は簡単だ。だが弾数には注意だよ?予備の弾数が少ないからね。」
あとAIも当てすぎないように、持ち物だから、と注意事項が増えていった。
狙撃系は正確さを求めるからちょっと苦手な私。
でも小魚達を減らさないと、武人兄ちゃんが危ない。
【パスティーユ】が使用不可、更に王子達の【ホーンフレア5th】も後手に回れと指示されてる。
この敵のロボは兄ちゃん1人で倒さないといけない。
だから、支援を怠らないようにしよう。