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【白井未衣子とロボットの日常】11・包囲の日《8》

※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。


「何で誰もアイツについて行かなかった!」
「申し訳ございません!」
ジェームズさんの怒鳴り声と、志願兵の皆さんの謝罪。
統制制御室内の空気はかなりピリピリしていた。

武人兄ちゃんが行方不明になったから。
パーティー終了後、臨時支部に戻る為の点呼を取ったんだ。
武人兄ちゃんの姿がないと気付いたのはこの時だった。
西条司令はすぐに捜索指示を出した。
今回のパーティーでも不参加の人達がいたので、彼らに捜索の任務に就かせていた。
珍しく参加したアレックスさんも、電話でAI射出の命令を下した。
私達参加者は、急いでバスに乗って戻った。
臨時支部に戻った後も騒がしい状態は続いていた。

判明している情報は2つ。
武人兄ちゃんは会場に出て、そのまま歩いていった。
半径数メートルほどの街の地面に、何かやらかした跡が数カ所見つかった。
銃を発砲した痕跡と、大きな土管の淵でつけたような丸い跡。
事件があったようだ。
その事件に武人兄ちゃんが絡んでいた可能性は高い。
いや、絡んでいるのは確実だろうと、この場にいる全員が睨んでいた。

「お前達だけではない!王子の側近兵やビウスの残存兵も会場内にいただろう!何をしていた!」「そ、それは…。」
指摘を受けた彼らは何も言い返す事ができなかった。

リュート王子とサレンさんも含め、皆顔を上げていなかった。
ジェームズさんの怒りを鎮めたのは、隣にいた西条司令だった。
彼はジェームズさんの肩に手を置いて言った。

「もうよせ。責任の押し付けは無駄だ。私の油断が招いたのだ。
[宇宙犯罪者]の気配がないと思い込んでいた…。」
ジェームズさんはぐっ、と堪えた。
彼もまだ言いたい事はあったようだけど、上の人に止められたら黙るしかない。

「クーランの所以外にも、[宇宙犯罪者]は存在しているんだ。
黒川には護衛を拒まれたからな。
せめてアイツにバレないように護衛をつけるべきだった…。
すまない。」
西条司令は謝罪の礼をした。
土下座まではいかなかったけど、頭は低く下げられた。

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