【白井未衣子とロボットの日常】3・糾弾の日《3》 1 カレーポーク 2023年7月26日 08:31 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。時間は夜になった。今日も[ラストコア]内で泊まる予定で、私は基地内を歩いていた。すると、私は外を眺めている武人兄ちゃんを見つけた。外と言っても…実際は海底の映像であるが。「兄ちゃん?」私は声をかけてみた。兄ちゃんは気づいて、私の方へ向いた。沈んでる様な表情だった。「未衣子か…?」「どうしたの?」「大した事ないで?未衣子はどうしたんや?」「今から閲覧室に行って…勉強しようかなって。」「未衣子は熱心やなぁ…。」それからは、中々言葉が続かない。武人兄ちゃんも、あの戦闘が気掛かりなのかもしれない。当事者だもの、気になるのは当然だよ。なんとか…気まずい雰囲気を打開しなきゃ…。「あの…。」「なあ未衣子。」私は名前を呼ばれた。この時、自分の体を震わせた。「お前にとっては、俺はどう映るんや…?」それって…私からの客観的視点が欲しいの?私は正直に答えた。「兄ちゃんは優しい人だよ。命の恩人だよ。」「そうか…。」武人兄ちゃんの返答はそれだけだった。再びの沈黙。会話が続かない。下手に話題を探しても、不穏な空気を打開するのは難しい。私が内心焦っていた時。「なあ、未衣子。」また兄ちゃんが呼んだ。「もし、俺が地球を苦しめる敵に回ったとしたら、お前はどうする?」敵…?私達を助けてくれた武人兄ちゃんが敵に?[ラストコア]の人達も信頼する兄ちゃんが敵に?私は、兄ちゃんの言葉が飲み込めなかった。ただ固まっている私の頬に、武人兄ちゃんの手が伸びた。手から伝わる、兄ちゃんの熱。私は答えを出さないといけないのかな、と本気で思った。でも、私の考えすぎでもあった。武人兄ちゃんの熱が無くなっていく。兄ちゃんの手は、私の頬から離れていた。「いや、気にせんでええ。君らはまだ子供や。もしもの時は宗太郎らに任せるから。」兄ちゃんはちょっとだけ笑った。私は答えを出さなくてよかった、と少し安心した。離れたのは手だけじゃなく、距離もそうだった。「明日も訓練あるからな、勉強も程々にしい?」武人兄ちゃんが手を振って、去っていく。何事もなく。私は期待に応えられてないのかな…。だってあの時、何も言えなかったから。敵になるって聞いて、怖かったから…。一体、どうすればいいのだろう。武人兄ちゃんの隣に立つには。ずっと兄ちゃんの味方でいるの?でも、敵になったら?地球を滅ぼす事態になっても味方をするの?自分の住んでる星なのに?私の思考はぐちゃぐちゃになっていた。勉強はしたけど、身についたのかはわからなかった…。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1