【白井未衣子とロボットの日常】14・忘却の日《9》 1 カレーポーク 2023年11月16日 20:28 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。『俺も秘密裏で白井家の家族構成を調べたんやけど。まあ、俺もびっくりしたわ。俺と未衣子達の出会いが、必然的だったと思い知らされたからな。』「何言ってんだよ!俺達が最初に会ったのは、公園の襲撃事件だから偶然だろ!」俺は反論した。武人兄ちゃんがおかしな発言をしたからだ。『10年前。[天海山ユートピア]の旧地で起きた襲撃事件。逃げ惑う人々の写真や映像から、小さい子供を抱えた母親の姿があった。』「証拠が、存在したのか!」王子が驚いた。家族構成を調査していた彼らにとっては、解決の糸口を発見したような事を言われたからだ。俺でも驚くよ。あまり機械に詳しくない俺でも、10年前はカメラの性能が良くなくて、写真も映像も粗く仕上がる傾向が強かった時代。それらを保管していた事にびっくりしているが、特定までされるなんて…。『わかりやすい髪の色やから、特定しやすかった。ピンク色の女の子と赤髪の女性は目立ちやすい。』ピンク色の女の子。俺達の知っている中で存在するのは、未衣子しかいない。10年前だったら未衣子はまだ3歳で、判断力は中学生の今よりかなり劣る。当然、誰か大人が側にいないと危険に巻き込まれる。3歳の子供にとって、身近な大人は両親等の家族だ。未衣子も、大人についていくだろう。未衣子は赤髪の女性についていた。武人が観た10年前の映像では、女性がずっと未衣子を抱えていた。明るいだけの何もない空間では、10年前の襲撃事件の映像も写真も確認できない。でも、確信はあった。10年前、俺は4歳で、兄貴は7歳。自分に降りかかる怖い過去は記憶に残る。「俺、実はたまにフラッシュバックするんだ…。爆発する遊園地から必死に逃げている自分を…思い出して。」「そうだろうね…。俺も家族総出の遊園地は覚えていた。楽しさも災いもはっきりと。お婆ちゃんが表情を凶変するから、俺は振り返らなかっただけ。ですが…俺達の母親に何の関係が…?」ぼやけた姿の武人兄ちゃんは、ニヤリと笑った。遂に未衣子が一生抱えてきた《同じ夢しか見れない現象》の謎を、兄ちゃんが語った。『君らの母親はな、実は火星人やった。クーランが姉妹で捕らえて、過酷な躾を受けていた。…俺にあてがうつもりやったんやろう。片方だけ直接会ったし。』「じゃあ、もう片方が地球へ逃亡したんですね?」『俺に会った女はすぐ息絶えたからなぁ…。彼女らはHRではなく、ただの火星人。俺らに抗う力は持ってない。だから片方を逃したんやろうな、姉妹同士計画を立てて。』まだ《夢》の仕組みは語られていないが、俺と兄貴は驚きで喋れなかった。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1