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【白井未衣子とロボットの日常】2・復讐の日《2》
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。
敵のロボを倒してからは、物事がスムーズに進んでいった。
私達は男の人・武人兄ちゃんに連れられて、[ラストコア]の本部にやって来た。
愛嬌湾の中に潜んでいるって言われたけど、詳しい場所はよくわからない。
本部の人でも所在地を知る人が少ないから当然だって言われた。
時間的に結構縛られた。
まず[ラストコア]の最高責任者である西条宗太郎総司令官と話をした。
西条司令とは地球が近々侵略される危機、この基地の設立経緯、さらに期間限定の契約についての説明がされた。
「3ヶ月は辛抱してほしい。」
西条司令からそう頼まれた。
高校生で頭のいい和希兄ちゃんは沢山質問した。
侵略危機について武人兄ちゃんの様なロボがやってくる事。
設立経緯は10年前のレジャー施設襲撃事件がきっかけ。
契約は…多額の報酬を支払うなどの特典をつける事。
これらの内容が理解できた。
終始、西条司令と隣にいたおじさんは苦い顔をしていた。
子供に説明するのが難しいのかな?
おじさんは[ラストコア]の事務局長、ジェームズ・フェリーと言った。
ジェームズさんは私達の祖父母にも説明しに行く様で、困るなぁと唸っていた。
営業マンかな、と私は軽くとらえていた。
その後、私達はパイロットの資質があるかどうかの検査を行った。
身体検査や精神検査など。全身をくまなく調べたようで、司令の話よりも時間がかかった。
身体は私達全員、異常なし。
精神は…私が同じ夢しか見れない状態について、お医者さんは驚いたみたいだった。
もちろん、武人兄ちゃんとシャトルに乗っていた[ラストコア]の技術局長、アレックス・ヘイリーさんもお医者さん同様驚いた。
大した事ないですよ、と私は言ったけど。
「パイロットには心の変化も診るのは必要なんだ。黒川には報告しておく。」
アレックスさんは返答した。
今度はこれからのタイムスケジュールについての説明だった。
とりあえず最初の1週間は全員参加で訓練を行うとの事で、学校は強制休暇になった。
その後は各自の計画に合わせて調整を入れるとの取り決めになった。
和希兄ちゃんは部活あるし、勇希兄ちゃんは空手の稽古をやってるから。
でも、私は2人の兄のように、取り立ててやってる部活や習い事はない。
勉強は学校通うと自然にするし、読書も隙間時間でできる。
家事手伝いも祖母に言われてやっているわけじゃない。
だから私は、毎日訓練を受けたい。
外出については勇希兄ちゃんに連れてもらおうと考えている。
公園で助けてくれた武人兄ちゃんと一緒に戦いたい。
私の決意は固まっている。
たとえ今が弱くても、強くなって武人兄ちゃんの隣に立ちたい。むしろ、彼を守りたい。
毎晩夢の中で見る彼に出会えたから。
ずっと側にいれたらいいな。