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【白井未衣子とロボットの日常】5・酔狂の日《6》
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。
2次会に参加するメンバーはざっと数えて20人程だった。
その中に宗太郎、ジェームズ、武人、リュートが入っていた。
リュートは断ったが、武人にズルズル引っ張られる形で参加した。
武人は酒に弱くはないが、楽しむ場ではとことん楽しみたい派だ。
だから初参加のリュートを誘った。
2次会の宴会場は中華系の居酒屋だった。
こちらも座敷タイプで酒とつまみを楽しむ場所だった。
カラオケはないが、モデルの如く綺麗な女性がホール係を務めていた。
(これは子供達やサレンには刺激が強すぎる…!)
リュートは目眩を覚えた。
が、酒はあまり入ってないので倒れなかった。
対して武人は他の人とかなり楽しんでいた。
顔が赤くなっており、酒に酔っているようだった。
「浮かない顔してるが、大丈夫か?」
ジェームズがリュートの後ろにやってきた。
「…体調は、なんとか。」
「ドンチャンやれとは言わんさ。年2回しか、私用では出れないからな。」
「すみません。」
「構わんさ。それより、随分健闘したんだな?前の戦闘で。」
「仕留めたのは子供達と奴ですが。」
「あの大ダメージを与えたのは大したもんだよ。心、躍らせたみたいだな。」「はい。」
ジェームズとリュートは店の隅で料理を嗜んでいた。
中央のスタッフ達の騒ぐ声をBGMにしていた。
騒ぐ声が大きくなった。
あまりの音量に、隅っこの2人が中央を見た。
頭1つ分抜けた長身の女性が、華麗な舞いを披露していた。
怪我しないように、女性以外は距離をあけた。
予約の時に下見に来たジェームズだったが。
「あの女はいなかったが?」
と首を傾げた。思い当たらないようだ。
「新しく入ったのだろうか?」
「やけに積極的だな…。黒川との距離が近すぎないか?」
「!?」
ジェームズの発言を聞き、リュートは踊り子の女性を観察した。
顔を、視線を、ずっと武人に向けているのがわかった。
「あれは…。」
「ボサボサだが、ルックスはいいからなあ、アイツは。」
「好感度の話ではなく、あの人は見覚えないでしょうか?」
「うーん。黒髪美女は地球に沢山いるぞ?」
「ん!?」
リュートが驚くのも無理はない。
女性が武人の手を掴んだのだ。
さらに彼の耳にそっと話しかけた。
突発的行動にリュートはその場面に乗り出そうとした。
武人の制止に終わった。
武人は今は物騒な荒らしは止めとき、と言った。
女性に連れられて、武人は店の外に出た。
お勘定は[ラストコア]本部持ちなので、1人欠けても問題はない。
だが真面目なリュートは気になった。
あの女性の見た目と仕草が。
ジェームズに出ます、と伝えて彼は武人を追いかけた。