【白井未衣子とロボットの日常】6・暴露の日《12》 1 カレーポーク 2023年8月9日 12:38 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。『未衣子!』男の人の声がした。兄達から発した声ではなかった。【パスティーユ】に突進するように、猛スピードで迫るロボがいた。あの黒いロボは見間違えるはずがない。【ブラッドガンナー】。武人兄ちゃんが駆けつけてきた!兄ちゃんが退かすために、私達に体当たりをしてきた。体当たりで衝撃が走った。だけど、白い光が消え、【フラワー】へのチェンジに成功した。その引き換えに…【ブラッドガンナー】が電流を浴びてしまった。『ぐあああああ!』「兄ちゃん!」武人兄ちゃんは悲鳴をあげた。彼は人間みたいな姿以外、ロボから変身できない構造である。そうだ、雲だ!雲を消してみるしかない!【フラワー】はロッドを上にあげて、薄桃の光の球を出した。前に振ると、光の球は分身して、【フラワー】を囲むように陣形をとった。「行け!」【フラワー】が3回転すると、光の球は八方に散っていった。雲に命中するのは容易い事だった。雲は弾けて消えたけど、電流は止まらない。武人兄ちゃんは未だ、電流に苦しんでいる。他に方法は…。考えようとした時、藍色の槍が雲に刺さった。槍に電気が走り、避雷針代わりになった。【ブラッドガンナー】が電流の縛りから解放された。力が抜けているのか、兄ちゃんが下に落ちる!私達が武人兄ちゃんを支えにいく…事はなかった。槍を投げた張本人、【ホーンフレア5th】が急いでキャッチした。『まっすぐに飛び込んで…貴様らしくない!何を考えている!』王子の叱責だった。『…責任取る…言うたからな…散々酷い目…合わせとる…』兄ちゃんは途切れ途切れに言った。【ブラッドガンナー】は黒いロボだけど、黒い煙と多数の傷跡でボロボロなのは一目瞭然だった。武人兄ちゃんが、危ない!私達は危険を感じていた。危険性を上乗せするかの如く、敵の白いロボがお喋りを始めた。『お前達。そいつを庇う必要はないぞ。秘密を知れば尚更、やる気を削ぐさ。』「…どう言う事?」『戻るぞ君達!愛嬌湾が荒れているんだ!』王子の叫び声がした。でもそんな気になれなかった。『【ブラッドガンナー】の正体はラルク・トゥエルラー。お前達が敵視している、[宇宙犯罪者]の1人だ。しかも、11の星を滅ぼした、超極悪人なんだよ。』『ラルク…?』『[宇宙犯罪者]…だって?』兄達は敵のロボの説明に驚いた。私だって同じように驚いた。『過去の話だ!此奴の言葉に耳を貸すんじゃない!』『外野は黙ってろ!』敵のロボはロッドを振るい、白く光る立方体を【ホーンフレア5th】にぶつけた。『うおっ!?』立方体は命中し、【ホーンフレア5th】は後ろに下がった。『あの男はな、いい兄貴ぶりを装い、お前達を戦場に導く卑劣な罪人だ。学びの退屈さにつけ込んだ策略家だよ。平和を願う癖に、侵入者を徹底的に叩く矛盾。地球さえ良ければ、それでいいと思う自己中だよ。』真っ白な電撃の光が、私達に襲いかかってきた。敵のロボの話の途中で。回避はしたけど。『この星の学舎は素晴らしいぞ。優劣なしに教養や知識を学べるんだ。お前達はそれを放棄しようとしている。3人、学舎に潜入させたからな。』「まさか丸井君は…!」私は咄嗟に声が出た。『女…そうか。君が1番親しくしてくれたんだってね。周りに友達がいないから。どうだ?僅かな期間のじゃれ合いは楽しかっただろう?』敵のロボの攻撃は止まらない。ロッドを振るだけで定位置に固定したままなのに。何度も繰り出されると、1発は攻撃を受けてしまった。「ああっ!」『未衣子!』『君に友達がいないのは、《夢》のせいらしいな。同じ男が出る《夢》に周りが引き、挙句には乱暴に扱ってもいいレッテルを貼られた。良かったな。《夢》の男に出会えて。とんだ極悪人だったがな!』攻撃の威力が増してきた。何もかも見抜かれて、言い返せない。防がないといけないのに、気力がない。ダメージは受けるばかり。『未衣子!俺に変われ!』『安心しろ。目的は達成した。お前達が俺に挑んでいる間に、本部に侵攻させた。命を取る気はない。おとなしく勉学に励むんだな。少年少女よ!』また攻撃をくらった。私は反動で頭を強く打った。ヘルメットで衝撃は軽かった。けど何故か、左目に赤い雫が見える…。きっと、前面ガラスが割れたんだ。破片が私の頭に刺さったのな…?『未衣子!しっかりしろ!』『くっ、落ちるぞ!』兄達が必死に心配してくれた。でも意識が遠のく…。【パスティーユ】は装甲優れてる筈なのに。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1